ナジュ。
お前、この状況で、よく「怒らないで」と言えるな。
「大丈夫ですよ小人さん。天音さんは優しいですからね、ちゃんと許してくれますよ。笑ってね」
「そう?」
「えぇ。だから、ここいらで『天音さんの契約は』終わりにしてあげてくれませんかね?こんなときでも笑って許してくれる天音さんは、充分優しいでしょう」
お…おい。
ナジュ、お前何を言って…。
「ふーん…?そうだね〜、まぁ良いよ。天音君だっけ?君は、結構優しくしてくれたからね。昨日は変なこと言ってきたけど…。まぁ、今のでプラマイゼロってことで」
生意気にも、にやにや笑いながら言うピンク。
「だ、そうです。さぁ天音さん、笑って許してあげてください」
「そ、そんな…。ナジュさん、何でそんなこと、勝手に…」
「良いじゃないですか。ここで笑っとけば、契約終わりですよ?それに、僕は怒ってくれなんて言ってません。ケーキなんて、また作れば良いんですし。つまらないことで怒らせて、余計拗らせて欲しくないんです、僕は」
「っ…」
そう言われると、天音も強くは出られない。
「…分かったよ…。許すよ」
天音は、笑ってそう言った。
ぎこちない笑顔だったが、確かに笑ってみせた。
すると、ピンクはそれで満足したらしく。
「うんうん、良いよ。君からは、これで充分『優しさ』を教えてもらった」
そう言って、ピンク小人は感情の小瓶を揺らした。
奴の感情の小瓶には、ピンクの液体が、瓶の半分と少し、満たされていた。
あんだけやって、まだ折り返しを過ぎたくらいなのか。
それでも、一応…半分は。
つまり、二人の契約者のうち一人分は…契約満了したことになる。
「今までの労に免じて…君は解放してあげるよ、天音君」
めちゃくちゃ偉そうに言って、ピンク小人は天音の指輪を外した。
これで、天音は契約から解放された。
死の期限がなくなったのだ。
「そんな、僕だけ…。ナジュさんも解放してあげてよ」
顔がケーキまみれなのに、健気にナジュの解放を求める天音…だったが。
「彼はまだ駄目だよ。全然、優しくないからね。君も急いだ方が良いよ〜?早くしないと、七日目が来ちゃうよ?僕は手加減はしてあげないからね〜」
「…そうなんですか」
ナジュは、にこりと微笑んだ。
…物凄く、真っ黒な笑顔だった。
「実は僕も…手加減はしない主義なんですよ」
と、言った瞬間。
ナジュの、渾身のパンチが、ピンク小人の顔面に炸裂した。
お前、この状況で、よく「怒らないで」と言えるな。
「大丈夫ですよ小人さん。天音さんは優しいですからね、ちゃんと許してくれますよ。笑ってね」
「そう?」
「えぇ。だから、ここいらで『天音さんの契約は』終わりにしてあげてくれませんかね?こんなときでも笑って許してくれる天音さんは、充分優しいでしょう」
お…おい。
ナジュ、お前何を言って…。
「ふーん…?そうだね〜、まぁ良いよ。天音君だっけ?君は、結構優しくしてくれたからね。昨日は変なこと言ってきたけど…。まぁ、今のでプラマイゼロってことで」
生意気にも、にやにや笑いながら言うピンク。
「だ、そうです。さぁ天音さん、笑って許してあげてください」
「そ、そんな…。ナジュさん、何でそんなこと、勝手に…」
「良いじゃないですか。ここで笑っとけば、契約終わりですよ?それに、僕は怒ってくれなんて言ってません。ケーキなんて、また作れば良いんですし。つまらないことで怒らせて、余計拗らせて欲しくないんです、僕は」
「っ…」
そう言われると、天音も強くは出られない。
「…分かったよ…。許すよ」
天音は、笑ってそう言った。
ぎこちない笑顔だったが、確かに笑ってみせた。
すると、ピンクはそれで満足したらしく。
「うんうん、良いよ。君からは、これで充分『優しさ』を教えてもらった」
そう言って、ピンク小人は感情の小瓶を揺らした。
奴の感情の小瓶には、ピンクの液体が、瓶の半分と少し、満たされていた。
あんだけやって、まだ折り返しを過ぎたくらいなのか。
それでも、一応…半分は。
つまり、二人の契約者のうち一人分は…契約満了したことになる。
「今までの労に免じて…君は解放してあげるよ、天音君」
めちゃくちゃ偉そうに言って、ピンク小人は天音の指輪を外した。
これで、天音は契約から解放された。
死の期限がなくなったのだ。
「そんな、僕だけ…。ナジュさんも解放してあげてよ」
顔がケーキまみれなのに、健気にナジュの解放を求める天音…だったが。
「彼はまだ駄目だよ。全然、優しくないからね。君も急いだ方が良いよ〜?早くしないと、七日目が来ちゃうよ?僕は手加減はしてあげないからね〜」
「…そうなんですか」
ナジュは、にこりと微笑んだ。
…物凄く、真っ黒な笑顔だった。
「実は僕も…手加減はしない主義なんですよ」
と、言った瞬間。
ナジュの、渾身のパンチが、ピンク小人の顔面に炸裂した。


