何があったのか、理解するのにかなりの時間を要した。
俺達は、一同ポカンとしていた。
何かとんでもないことが起こった、というのは理解出来た。
天音の顔は、潰れたフルーツやスポンジケーキ、そして大量の生クリームでベタベタ。
ピンク小人はそんな天音を見て、「してやったり」みたいな顔で、にまにまと笑っていた。
俺達は絶句である。
「げほっ…げほっ」
突然のパイ投げ、もとい…顔面ケーキを食らって。
天音は、咳き込みながら、顔についた生クリームやフルーツを、手で払っていた。
そこでようやく、まずシルナが我に返った。
「な…なんてことを…!ケーキが…ケーキで…なんてことを!」
シルナにしてみれば、あんなに綺麗だったケーキが、一瞬にして生ゴミ同然になってしまったのが許せないらしく、憤慨していた。
いや、誰だって憤慨モノだろう。
「…もぐ。美味しいよこれ」
「うん。ナジュせんせー、教師やめてもケーキ屋やっていけそう」
元暗殺者組は、どんなときでも食べ物を無駄にはしないらしく。
皿から溢れ落ちたケーキを、指で摘まんで食べていた。
この二人の、絶対に食べ物を無駄にしないという姿勢は、非常に見上げたものだ。
それに対して…このピンク小人のやることは…。
「なん…何で、こんなことするの…?」
天音が、目にこびりついた生クリームを擦りながら、かろうじて聞いた。
すると。
「え?単なる冗談だよ。面白かったでしょ?」
「…」
「それに昨日、君、優しくなかったじゃん。厳しくするのも〜とか何とか言って…。あれでちょっと気分悪くなったし…その報復?みたいな?まぁ、ちょっとした悪戯だよ」
ちょっとした…悪戯…。
「だから怒らないでね?ちゃんと許してよ。それが『優しさ』ってものだよ」
それを許すのが…「優しさ」だと…?
こいつは…こいつと来たら…。
「…そんなの…そんなの優しさなんかじゃ…。ナジュさんが…折角作ってくれたのに…!」
と、言って。
珍しく、天音が本気で語気を荒らげそうになった、その前に。
「まぁ、落ち着いてくださいよ天音さん。そんな怒らないで」
ケーキで汚れた顔に、ハンカチを差し出しながら、ナジュがそう言った。
俺達は、一同ポカンとしていた。
何かとんでもないことが起こった、というのは理解出来た。
天音の顔は、潰れたフルーツやスポンジケーキ、そして大量の生クリームでベタベタ。
ピンク小人はそんな天音を見て、「してやったり」みたいな顔で、にまにまと笑っていた。
俺達は絶句である。
「げほっ…げほっ」
突然のパイ投げ、もとい…顔面ケーキを食らって。
天音は、咳き込みながら、顔についた生クリームやフルーツを、手で払っていた。
そこでようやく、まずシルナが我に返った。
「な…なんてことを…!ケーキが…ケーキで…なんてことを!」
シルナにしてみれば、あんなに綺麗だったケーキが、一瞬にして生ゴミ同然になってしまったのが許せないらしく、憤慨していた。
いや、誰だって憤慨モノだろう。
「…もぐ。美味しいよこれ」
「うん。ナジュせんせー、教師やめてもケーキ屋やっていけそう」
元暗殺者組は、どんなときでも食べ物を無駄にはしないらしく。
皿から溢れ落ちたケーキを、指で摘まんで食べていた。
この二人の、絶対に食べ物を無駄にしないという姿勢は、非常に見上げたものだ。
それに対して…このピンク小人のやることは…。
「なん…何で、こんなことするの…?」
天音が、目にこびりついた生クリームを擦りながら、かろうじて聞いた。
すると。
「え?単なる冗談だよ。面白かったでしょ?」
「…」
「それに昨日、君、優しくなかったじゃん。厳しくするのも〜とか何とか言って…。あれでちょっと気分悪くなったし…その報復?みたいな?まぁ、ちょっとした悪戯だよ」
ちょっとした…悪戯…。
「だから怒らないでね?ちゃんと許してよ。それが『優しさ』ってものだよ」
それを許すのが…「優しさ」だと…?
こいつは…こいつと来たら…。
「…そんなの…そんなの優しさなんかじゃ…。ナジュさんが…折角作ってくれたのに…!」
と、言って。
珍しく、天音が本気で語気を荒らげそうになった、その前に。
「まぁ、落ち着いてくださいよ天音さん。そんな怒らないで」
ケーキで汚れた顔に、ハンカチを差し出しながら、ナジュがそう言った。


