その日最初の、小人の我儘は。
「ケーキ食べたい」
という、この一言から始まった。
まーた出たよ。食べ物の要求。
しかもこいつの場合、
「あ、勿論手作りね。それくらいしてくれるよね」
これだからな。
買ってくるだけで済むなら、まだ良い。
いちいち手作りを要求してくるのは、「自分の為に作る」という行為が大事だからなのだろう。
それが優しさだとでも思っているのだろうが。
最悪作るのは良いとして、ちゃんと食えよ、と思う。
こいつ、作らせるだけ作らせといて、まともに食べもしないからな。
一応、余りは令月達が食べたり、生徒に配るなどして、無駄にはなっていないけど。
折角お前の為に作ってんだから、お前が食えっつーの。
「今度はケーキか…」
「良いですよ、別に。ちょっと食堂借りて…作ってきます」
ここ最近、不機嫌を隠さないナジュが、溜め息混じりに頷いた。
ナジュが料理上手なのが、せめてもの救いだよな。
「あ、じゃあ僕も手伝うよ」
「いえ、大丈夫ですから。任せてください」
「でも…」
「平気ですよ」
天音の手伝いを断り、ナジュは一人で食堂に向かった。
「…いつも悪いなぁ。色々作らせて…」
と、ちょっとしょぼんとする天音である。
「お前はその分、こいつの我儘に付き合ってるじゃないか」
「でも…料理するのって、大変でしょ?それにケーキなんて…いかにも大変そうだし…」
「そうだな。けどナジュはナジュなりに、自分に出来ることをしようとしてるんだよ、きっと」
天音だけに任せるんじゃなくて、自分も契約した以上、役に立ちたいと思ってるんだよ。
無責任に見えて、誰より責任感じる奴だからな、あいつ。
不機嫌ではあるけど、何か役に立とうとはしてるんだよ。
「そっか…。じゃあ、任せようかな…」
「あぁ、そうしろ」
少なくとも料理については、手伝いを頼まれない限り、ナジュに任せても良いと思うぞ。
「ケーキ食べたい」
という、この一言から始まった。
まーた出たよ。食べ物の要求。
しかもこいつの場合、
「あ、勿論手作りね。それくらいしてくれるよね」
これだからな。
買ってくるだけで済むなら、まだ良い。
いちいち手作りを要求してくるのは、「自分の為に作る」という行為が大事だからなのだろう。
それが優しさだとでも思っているのだろうが。
最悪作るのは良いとして、ちゃんと食えよ、と思う。
こいつ、作らせるだけ作らせといて、まともに食べもしないからな。
一応、余りは令月達が食べたり、生徒に配るなどして、無駄にはなっていないけど。
折角お前の為に作ってんだから、お前が食えっつーの。
「今度はケーキか…」
「良いですよ、別に。ちょっと食堂借りて…作ってきます」
ここ最近、不機嫌を隠さないナジュが、溜め息混じりに頷いた。
ナジュが料理上手なのが、せめてもの救いだよな。
「あ、じゃあ僕も手伝うよ」
「いえ、大丈夫ですから。任せてください」
「でも…」
「平気ですよ」
天音の手伝いを断り、ナジュは一人で食堂に向かった。
「…いつも悪いなぁ。色々作らせて…」
と、ちょっとしょぼんとする天音である。
「お前はその分、こいつの我儘に付き合ってるじゃないか」
「でも…料理するのって、大変でしょ?それにケーキなんて…いかにも大変そうだし…」
「そうだな。けどナジュはナジュなりに、自分に出来ることをしようとしてるんだよ、きっと」
天音だけに任せるんじゃなくて、自分も契約した以上、役に立ちたいと思ってるんだよ。
無責任に見えて、誰より責任感じる奴だからな、あいつ。
不機嫌ではあるけど、何か役に立とうとはしてるんだよ。
「そっか…。じゃあ、任せようかな…」
「あぁ、そうしろ」
少なくとも料理については、手伝いを頼まれない限り、ナジュに任せても良いと思うぞ。


