君達の理屈、って…。
「君達の理屈なんか、知ったことじゃないね。僕には僕の理屈がある。僕が『優しさ』だと思った感情が、僕にとっての『優しさ』なんだ」
…この、野郎は。
言うに事欠いて…。
「君の言う『優しさ』って、それは君が勝手にそう思ってるだけだろ?」
「それは…。でも、世間一般的には…」
「世間がどう思ってようと、そんなの関係ないね。僕が『優しさ』だと判断した感情、それが『優しさ』なんだ」
そんな…俺の言うことこそが正義、みたいな…。
「『優しさ』を決めるのは僕だ。君に決める権利なんてない。君はただ、僕の思う通りに優しくしてくれれば良い。さもなくば、その指輪の毒が、君を殺しちゃうからね」
おどけた風に笑って、ピンク小人は天音の指輪を指差した。
茨で出来た指輪を。
完全に…こちらの弱みを逆手に取っている。
殺されたくなければ、こちらの言うことを聞けと。
散々の我儘に付き合え、と。
…命を握られているのだから、逆らうことは不可能だった。
「…分かったよ」
天音は、そう言って引き下がるしかなかった。
あと三日ほどの辛抱だと、自分を納得させたのかもしれない。
確かに、それで済めば良かった。
あと三日たてば、「あぁ大変だった」で済むと思っていた。
「大変だった」で済まない事態に発展したのは、翌日。
契約から、六日目のことだった。
「君達の理屈なんか、知ったことじゃないね。僕には僕の理屈がある。僕が『優しさ』だと思った感情が、僕にとっての『優しさ』なんだ」
…この、野郎は。
言うに事欠いて…。
「君の言う『優しさ』って、それは君が勝手にそう思ってるだけだろ?」
「それは…。でも、世間一般的には…」
「世間がどう思ってようと、そんなの関係ないね。僕が『優しさ』だと判断した感情、それが『優しさ』なんだ」
そんな…俺の言うことこそが正義、みたいな…。
「『優しさ』を決めるのは僕だ。君に決める権利なんてない。君はただ、僕の思う通りに優しくしてくれれば良い。さもなくば、その指輪の毒が、君を殺しちゃうからね」
おどけた風に笑って、ピンク小人は天音の指輪を指差した。
茨で出来た指輪を。
完全に…こちらの弱みを逆手に取っている。
殺されたくなければ、こちらの言うことを聞けと。
散々の我儘に付き合え、と。
…命を握られているのだから、逆らうことは不可能だった。
「…分かったよ」
天音は、そう言って引き下がるしかなかった。
あと三日ほどの辛抱だと、自分を納得させたのかもしれない。
確かに、それで済めば良かった。
あと三日たてば、「あぁ大変だった」で済むと思っていた。
「大変だった」で済まない事態に発展したのは、翌日。
契約から、六日目のことだった。


