神殺しのクロノスタシスⅣ

これには、一同揃って溜め息をつきたくなった。

天音なんか、絶句してるもんな。

たこ嫌いな癖にたこ焼き食べたいとか、こいつ頭おかしいのか?

何を思って、たこ焼きが食べたくなったのか。たこ嫌いな癖に。

「不味い。違うもの入れてよ」

「え、いや。そんな…たこ嫌いなのに、何でたこ焼き食べたかったの…?」

聞かずにはいられなかったらしい天音。

俺も聞きたいよ。

すると、その返事は。

「違うもの入れてくれれば、食べられるから。全く。これくらい察して、ちゃんとたこ以外も用意してよね。優しくないなぁ」

お前がたこ嫌いだとか、そんなこと知るか。

「…違う具材、用意してて良かったな…」

「全くですよ…。折角、お高いたこ買ってきたのに…」

相変わらず不機嫌を隠そうともせず、追加のたこ焼きを焼くナジュである。

しかし、たこは無駄にならなかった。

「はふはふ、もぐもぐ。熱い。はふはふ」

「馬鹿だなー『八千代』。一口で行ったら、熱くて火傷するよ。先に半分に割るんだよ」

「そうなんだ。はふはふ。熱いけど、美味しい」

いつの間にか、何処から侵入してきたのか。

元暗殺者組が、たこ焼きを頬張っていた。

お前ら、今日ばかりは、よく来たと言ってやろう。

お陰で、たこ焼きが無駄にならずに済んだ。

ついでに、通りすがりの生徒にもあげよう。

生徒達も、連日放課後になると食べ物をお裾分けされて。

この教師達は、一体何をやってるんだろうと思ってるだろうな。

大変なんだよ。教師も。

まさか、こんな我儘野郎の相手をさせられるとは。