神殺しのクロノスタシスⅣ

その後、ナジュが、昆布出汁の余りを使って、ご要望通りうどんを作ってやった。

よくやるよ。

しかし、この恩知らずのピンク小人は、本当に恩知らずで。

うどんの具が、ネギと温玉ととろろであったことに、ぶつくさと文句を言った。

「折角なら、天ぷらうどんが食べたかったのに」とか何とか。

散々文句をつけて、結局口にしたのは、うどん数本と、温玉だけ。

その後、食べ物に飽きたピンク小人は、漫画が読みたいだの、映画を観たいだの、ゲームがしたいだの、我儘を言いまくり。

その都度、ご要望のものを用意しなければ、「優しくない」を連呼。

つーか、用意したとしても、あれこれ文句をつけては「優しくない」と言うのだから、もう何をやっても駄目だ。

俺は、とっくに堪忍袋の緒が切れていたが。

天音は親切にも付き合ってやり、ナジュもナジュで、淡々としていた。

心から尊敬するよ。その懐の広さに。