一時間後。
流しそうめんの準備が整った。
「はい、出来たよ」
素晴らしい、流しそうめんセットである。
天音が近所のスーパーを梯子して、季節外れのそうめんをたくさん買ってきてくれ。
更にそこに、出汁から取ったナジュの特製そうめんつゆと、
切ったネギ、すりおろした生姜、青じそ、刻み海苔、ミョウガ。
それから冷やし中華風に、錦糸玉子とハム、塩揉みしたキュウリまで。
完璧過ぎる布陣だ。
時期じゃないのに、めっちゃ美味しそうに見えてくる。
この上ない、完璧な流しそうめん。
「じゃあ流すからねー」
天音が、茹でてザルにあげたそうめんを一掴み、流しそうめん機に流そうとした、
そのとき。
「…え?何これ?」
ピンク小人は、喜ぶでもなく、箸を持つ訳でもなく。
怪訝そうな顔をして、目の前の流しそうめんキットを見つめていた。
「何これって…。流しそうめんだよ?食べたいって言ってたよね…?」
首を傾げる天音。
あぁ、確かに食べたいと言っていた。
しかし。
「僕が食べたいのは、こんな機械の流しそうめんじゃないよ」
…まさか、こいつ。
「ちゃんと手作りで用意してよ、竹の器と、竹の流しそうめん器。ちゃんと外でさー」
キャンプやイベントでやるような…あんな本格的な流しそうめん大会を希望しているのか。
たった一人の為に?何様だこいつ。
小人様?
「え、そ、そんな…。いや、でも竹なんかないよ…」
これには、天音も絶句。
「…そんなこと言い出したら嫌だなーと思ってたら、案の定言い出しましたよ。どうしましょう天音さん。いっそのことご要望通り作って、そうめんの代わりにこいつ、流します?」
全て水に流してなかったことに、ってそんな上手いこと言ってる場合か。
「い、いや、それは…。でも、竹から作るなんて…。まず材料が何処にあるのか分からないよ。竹なんて、普通のホームセンターで売ってるのかな…?」
作る気なのか、天音。
そうだな…。拒否権、ないんだもんな。
「売ってる分には売ってるでしょうけど…。かなりの大作業になりそうですね」
「うん…」
「この小人、童話の世界から来た癖に、何で風流を求めてんですかね…」
全くだよ。
しかし、小人はそんなナジュを、じろりと睨む。
「何?優しくないねー、君。ちゃんと優しくしてくれないと、契約は解かないからね」
「はいはい、分かりました分かりました」
こういうのはもう、優しさではない。
優しさの範疇を越えてるよ。
「と、とりあえず…その、皆で手伝って…手分けして、作ろうか。こうなったら」
と、シルナが提案し。
俺達は急遽、放課後を流しそうめん作りに費やすこととなった。
流しそうめんの準備が整った。
「はい、出来たよ」
素晴らしい、流しそうめんセットである。
天音が近所のスーパーを梯子して、季節外れのそうめんをたくさん買ってきてくれ。
更にそこに、出汁から取ったナジュの特製そうめんつゆと、
切ったネギ、すりおろした生姜、青じそ、刻み海苔、ミョウガ。
それから冷やし中華風に、錦糸玉子とハム、塩揉みしたキュウリまで。
完璧過ぎる布陣だ。
時期じゃないのに、めっちゃ美味しそうに見えてくる。
この上ない、完璧な流しそうめん。
「じゃあ流すからねー」
天音が、茹でてザルにあげたそうめんを一掴み、流しそうめん機に流そうとした、
そのとき。
「…え?何これ?」
ピンク小人は、喜ぶでもなく、箸を持つ訳でもなく。
怪訝そうな顔をして、目の前の流しそうめんキットを見つめていた。
「何これって…。流しそうめんだよ?食べたいって言ってたよね…?」
首を傾げる天音。
あぁ、確かに食べたいと言っていた。
しかし。
「僕が食べたいのは、こんな機械の流しそうめんじゃないよ」
…まさか、こいつ。
「ちゃんと手作りで用意してよ、竹の器と、竹の流しそうめん器。ちゃんと外でさー」
キャンプやイベントでやるような…あんな本格的な流しそうめん大会を希望しているのか。
たった一人の為に?何様だこいつ。
小人様?
「え、そ、そんな…。いや、でも竹なんかないよ…」
これには、天音も絶句。
「…そんなこと言い出したら嫌だなーと思ってたら、案の定言い出しましたよ。どうしましょう天音さん。いっそのことご要望通り作って、そうめんの代わりにこいつ、流します?」
全て水に流してなかったことに、ってそんな上手いこと言ってる場合か。
「い、いや、それは…。でも、竹から作るなんて…。まず材料が何処にあるのか分からないよ。竹なんて、普通のホームセンターで売ってるのかな…?」
作る気なのか、天音。
そうだな…。拒否権、ないんだもんな。
「売ってる分には売ってるでしょうけど…。かなりの大作業になりそうですね」
「うん…」
「この小人、童話の世界から来た癖に、何で風流を求めてんですかね…」
全くだよ。
しかし、小人はそんなナジュを、じろりと睨む。
「何?優しくないねー、君。ちゃんと優しくしてくれないと、契約は解かないからね」
「はいはい、分かりました分かりました」
こういうのはもう、優しさではない。
優しさの範疇を越えてるよ。
「と、とりあえず…その、皆で手伝って…手分けして、作ろうか。こうなったら」
と、シルナが提案し。
俺達は急遽、放課後を流しそうめん作りに費やすこととなった。


