神殺しのクロノスタシスⅣ

「ひとまず落ち着こう?大丈夫だよ小人さん。羽久はこう見えて、凄く優しい人だから。今は、ちょっと度重なる不幸が続いて荒んでるだけで…」

と、フォローを入れるシルナ。

シルナの方が、余程優しさに満ち溢れているな。

「シルナと契約したらどうだ?少なくとも、俺よりは優しいだろ」

むしろ優し過ぎて、面倒臭くなるくらい。

シルナなら、契約を結ばれたとしても、上手く乗り切るだろうし…。

シルナが契約したからには、俺も全力でフォローに回る所存。

しかし。

「え?嫌だよ。おっさんと契約なんて」

一刀両断。

小人にまでおっさん呼ばわりされたシルナは、膝から崩れ落ちていた。

お前は泣いて良いと思うぞ。

…つーかさ。

この『白雪姫と七人の小人』って、シルナがイーニシュフェルトの里にいた頃に…つまり、何万年も前に出来たものなんだろう?

つまり小人よ、シルナをおっさん呼ばわりするなら、お前も大概おっさんだぞ。

しかも白雪姫の原作を考えると、そもそも小人そのものも、おじさんだし。

おっさんがおっさんをおっさん呼ばわりって…。なんて醜いんだ。

お前がまず優しさを身に着けろよ。人に教えてもらう前に。

「僕はもっと、若い人に優しさを教えてもらいたいんだ」

「我儘野郎。じゃあ俺で妥協しろ」

「君は、さっきから僕に酷いことばかり言うから駄目だね。僕の試練は過酷だよ?ちゃんと優しさを教えてくれないと、絶対契約を解いてなんてあげない」

契約を結んでもないのに、既に最高に苛つくな。

すると。

「ならばここは、我々の出番ですね」

ナジュが、ここぞとばかりに口を挟んできた。

…我々?