神殺しのクロノスタシスⅣ

――――――…一方、その頃。



「…どうも…」

「わっ、エリュティア君大丈夫!?」

学院長先生は僕を見るなり、ぎょっとして飛び上がった。

それもそうだと思う。

我ながら、酷い有り様だから。

「だ、大丈夫?あの…タオルどうぞ」

「…どうも…」

イーニシュフェルト魔導学院の教員、天音さんが、僕にタオルを差し出してくれた。

その気遣いが、とても有り難い。

しかし、今更僕に、タオル一枚渡したところで…。

それは、全て裏目に出る。

案の定。

「天音さん…このタオル…」

「え?…あ…!何でこんな泥まみれになってるの!?」

天音さんに、悪気がないことは重々承知しているが。

差し出されたタオルは、泥まみれで。

こんなタオルで身体を拭いても、泥を身体に塗りたくっているのと同じだ。

…切ない。

雨でびしょびしょに濡れた身体を、拭くことすら許されないなんて。

悲しいとかじゃなくて、僕はただ、ひたすらに切ないよ。