「あー、もう駄目だ…。やめとこう。何かするのは駄目だ」
と、俺は呟いて、ただソファにもたれ掛かった。
何かをしようとすれば、必ず失敗して不幸な目に遭う。
何なら、職員室で書類仕事しようとしただけで、インクの瓶を書類の上にぶちまけ、ついでに窓から突風が入ってきて、書類を撒き散らす有様だから。
何をやっても裏目に出るなら、何もやらない方がマシ。
…なのだが。
「…わっ!?」
「は、羽久!?」
ただ、ソファにもたれていただけなのに。
突然ソファの背もたれが、ベキッ、と音を立てて壊れ。
俺は、背中から床に真っ逆さま。
ドスン、頭と背中を強打。
ついでに。
「羽久さん、だいじょ…うわっ!?」
エリュティアも、エリュティアで。
ただ俺を心配して、駆け寄ろうとしただけなのに。
突然、壁際に設置してある本棚の本が雪崩を起こし、エリュティアに直撃した。
二人して、床に沈没。
俺達は…もう、何をやっても駄目だな。
何もやらなくても駄目じゃん。
「…何だかコントみたいで、見てる分には面白いですね」
と、ナジュが他人事のようにポツリと言った。
…面白いですね、じゃねーよ。
こっちは、何も面白くないわ。
「…いい加減にしてください、この陰険小人」
とうとう、業を煮やしたクュルナが、赤い小人に食って掛かった。
そうなる気持ちは分かる。
「私を怒らせたいなら、私の身に何かして怒らせなさい。何で羽久さんを巻き込むんです」
クュルナ…ありがとうな。
しかし、赤い小人は、
「え?だって、この方が君を怒らせられるんだから、しょうがないでしょ?」
悪びれもせず、この態度。
「僕は君を怒らせるのが仕事なんだから、僕のやってることは間違ってないんだ。今だってそのお陰で、ほら。君は怒ってる」
あぁ、怒ってるな。
かつてないほどに、クュルナは怒りの炎を燃やしている。
「その調子で、どんどん怒ってよ。あー次は何をしようかな〜。空から金ダライとか落ちてきたら、面白いだろうな〜!」
そして、この挑発するような小人の態度。
クュルナでなくても腹が立つというものだ。
空から金ダライって、いつの時代だよ。
本当に起きそうだな。洒落にならんからやめろ。
相変わらずだが、この小人の舐めきった態度。
めちゃくちゃムカつくよな。
それに、青い小人も。
「もっともっと不幸な目に遭って、もっともっと悲しんでよ。悲しみっぷりが足りないよ」
何故か呆れたように、エリュティアにそんな我儘を言っている。
何だこの態度は。
「君はちゃんと悲しんで、僕に悲しみを教えるのが仕事なんだから。それすら満足に出来ないなんて、君は本当に駄目な人間だなぁ」
…こ、の、野郎…。
エリュティアを悲しませるのが目的の発言だと、分かってはいるものの。
それでも、ムカつくものはムカつく。
ふざけんなよ小人共。黙って聞いてりゃ。
「こいつら…いっぺん捕まえて、逆さに振ってやろうか。そうしたら、怒りも悲しみも分か…」
るだろう、と言ってやろうとしたら。
「あ!羽久さん、避けて!」
「え?」
天音が咄嗟に叫んだが、しかしあまりの怒りで我を忘れていた俺は、気が付かなかった。
気付いたときには、何処から現れたのか、金ダライが脳天を直撃。
ぐわんぐわんぐわん、と世界が数回回転し、そのままバタッ、と床に倒れた。
…今のは…効いたよ。
「あ、あぁぁ〜!羽久〜!しっかりして…」
シルナが駆け寄ってきたが、あまりの衝撃に、それさえ気づかなかった。
ただ、混濁した意識の中で、これだけは聞こえた。
「…本当にコントですね」
という、ナジュの呟きだけは。
コントじゃねーんだよ。ふざけんな。
と、言い返したかったが、もうそんな言葉も出てこなかった。
と、俺は呟いて、ただソファにもたれ掛かった。
何かをしようとすれば、必ず失敗して不幸な目に遭う。
何なら、職員室で書類仕事しようとしただけで、インクの瓶を書類の上にぶちまけ、ついでに窓から突風が入ってきて、書類を撒き散らす有様だから。
何をやっても裏目に出るなら、何もやらない方がマシ。
…なのだが。
「…わっ!?」
「は、羽久!?」
ただ、ソファにもたれていただけなのに。
突然ソファの背もたれが、ベキッ、と音を立てて壊れ。
俺は、背中から床に真っ逆さま。
ドスン、頭と背中を強打。
ついでに。
「羽久さん、だいじょ…うわっ!?」
エリュティアも、エリュティアで。
ただ俺を心配して、駆け寄ろうとしただけなのに。
突然、壁際に設置してある本棚の本が雪崩を起こし、エリュティアに直撃した。
二人して、床に沈没。
俺達は…もう、何をやっても駄目だな。
何もやらなくても駄目じゃん。
「…何だかコントみたいで、見てる分には面白いですね」
と、ナジュが他人事のようにポツリと言った。
…面白いですね、じゃねーよ。
こっちは、何も面白くないわ。
「…いい加減にしてください、この陰険小人」
とうとう、業を煮やしたクュルナが、赤い小人に食って掛かった。
そうなる気持ちは分かる。
「私を怒らせたいなら、私の身に何かして怒らせなさい。何で羽久さんを巻き込むんです」
クュルナ…ありがとうな。
しかし、赤い小人は、
「え?だって、この方が君を怒らせられるんだから、しょうがないでしょ?」
悪びれもせず、この態度。
「僕は君を怒らせるのが仕事なんだから、僕のやってることは間違ってないんだ。今だってそのお陰で、ほら。君は怒ってる」
あぁ、怒ってるな。
かつてないほどに、クュルナは怒りの炎を燃やしている。
「その調子で、どんどん怒ってよ。あー次は何をしようかな〜。空から金ダライとか落ちてきたら、面白いだろうな〜!」
そして、この挑発するような小人の態度。
クュルナでなくても腹が立つというものだ。
空から金ダライって、いつの時代だよ。
本当に起きそうだな。洒落にならんからやめろ。
相変わらずだが、この小人の舐めきった態度。
めちゃくちゃムカつくよな。
それに、青い小人も。
「もっともっと不幸な目に遭って、もっともっと悲しんでよ。悲しみっぷりが足りないよ」
何故か呆れたように、エリュティアにそんな我儘を言っている。
何だこの態度は。
「君はちゃんと悲しんで、僕に悲しみを教えるのが仕事なんだから。それすら満足に出来ないなんて、君は本当に駄目な人間だなぁ」
…こ、の、野郎…。
エリュティアを悲しませるのが目的の発言だと、分かってはいるものの。
それでも、ムカつくものはムカつく。
ふざけんなよ小人共。黙って聞いてりゃ。
「こいつら…いっぺん捕まえて、逆さに振ってやろうか。そうしたら、怒りも悲しみも分か…」
るだろう、と言ってやろうとしたら。
「あ!羽久さん、避けて!」
「え?」
天音が咄嗟に叫んだが、しかしあまりの怒りで我を忘れていた俺は、気が付かなかった。
気付いたときには、何処から現れたのか、金ダライが脳天を直撃。
ぐわんぐわんぐわん、と世界が数回回転し、そのままバタッ、と床に倒れた。
…今のは…効いたよ。
「あ、あぁぁ〜!羽久〜!しっかりして…」
シルナが駆け寄ってきたが、あまりの衝撃に、それさえ気づかなかった。
ただ、混濁した意識の中で、これだけは聞こえた。
「…本当にコントですね」
という、ナジュの呟きだけは。
コントじゃねーんだよ。ふざけんな。
と、言い返したかったが、もうそんな言葉も出てこなかった。


