全く、相変わらず隙あらば人の心を読んできやがって。
更に。
「全校生徒に配ったんでしょ?なら、絶対150個以下になることはないよね」
「そーだね。何で200個も余ってるの?」
…。
振り返るとそこにいる、元『アメノミコト』の暗殺者二人。
黒月令月(くろづき れいげつ)と、
花曇すぐり(はなぐもり)である。
ついさっきまで、姿はなかったはずなのに…いつの間にか、そこに存在している。
一体何処から入ってきてるんだか。
無駄な才能を発揮しやがって。
「…お前ら。授業始まるぞ。教室に戻れ」
忍者みたいなことしてないで、さっさと教室に帰れよ。
イレースに怒られても知らんぞ。
しかし。
「いやー、なんか事件の匂いがすると思ってさー、ねぇ『八千代』(やちよ)」
「うん、『八千歳』(やちとせ)。僕もそう思った」
何やら、物騒なことを言い始めたぞ。
事件の匂いって、何だよ。
するとシルナは、令月の言葉に反応した。
「そう!事件だよこれは最早!チョコが余る!大事件だ!」
などと、意味不明な供述をしており。
「この怠惰極まりないパンダ学院長は置いておくとして、その話が本当なら、およそ50名弱の生徒が、学院に戻ってきていないということになりますね」
と、イレース。
まぁ、そうなるわな。
全校生徒にプラスして、150個も用意してるんだから。
一人一個ずつ配ったのなら、150個余ることはあっても、200個以上余ることはない。
それにこうして、ナジュも盗み食いしてる訳だし。
つまり、配る生徒が足りてないということになる。
そして、案の定。
「生徒が足りないんだよ!マリアンナちゃんとラウル君とジュリアン君とエレノアちゃんとヘーゼルちゃんと…」
「わ、分かった分かった」
シルナは、配り損ねた生徒の名前を、ズラズラ列挙し始めた。
この男、普段はぽや〜んとしている癖に。
常に、全校生徒の顔と名前を記憶しているのである。
そして、自分が今朝、顔を見なかった生徒の名前もちゃんと覚えている。
無駄な才能を発揮していく。
更に。
「その生徒達皆、南の地方から来てる子達なんだよ!」
と、シルナは言った。
顔の名前どころか、生徒の出身地まで覚えている始末。
これ、毎年だからな。この記憶力だけは、さすがだと思う。
…で、南の都市だって?
「何だってそんなことになってんだ…?」
まさか、今日から二学期だってことを忘れた訳じゃないよな?
それも、南の地方から来てる生徒に限って。
それは確かにおかしい…と、思っていると。
「あ、学院長先生、良かった。戻ってたんですね」
と、この場にいなかった、最後のイーニシュフェルト魔導学院の教員が、学院長室に入ってきた。
更に。
「全校生徒に配ったんでしょ?なら、絶対150個以下になることはないよね」
「そーだね。何で200個も余ってるの?」
…。
振り返るとそこにいる、元『アメノミコト』の暗殺者二人。
黒月令月(くろづき れいげつ)と、
花曇すぐり(はなぐもり)である。
ついさっきまで、姿はなかったはずなのに…いつの間にか、そこに存在している。
一体何処から入ってきてるんだか。
無駄な才能を発揮しやがって。
「…お前ら。授業始まるぞ。教室に戻れ」
忍者みたいなことしてないで、さっさと教室に帰れよ。
イレースに怒られても知らんぞ。
しかし。
「いやー、なんか事件の匂いがすると思ってさー、ねぇ『八千代』(やちよ)」
「うん、『八千歳』(やちとせ)。僕もそう思った」
何やら、物騒なことを言い始めたぞ。
事件の匂いって、何だよ。
するとシルナは、令月の言葉に反応した。
「そう!事件だよこれは最早!チョコが余る!大事件だ!」
などと、意味不明な供述をしており。
「この怠惰極まりないパンダ学院長は置いておくとして、その話が本当なら、およそ50名弱の生徒が、学院に戻ってきていないということになりますね」
と、イレース。
まぁ、そうなるわな。
全校生徒にプラスして、150個も用意してるんだから。
一人一個ずつ配ったのなら、150個余ることはあっても、200個以上余ることはない。
それにこうして、ナジュも盗み食いしてる訳だし。
つまり、配る生徒が足りてないということになる。
そして、案の定。
「生徒が足りないんだよ!マリアンナちゃんとラウル君とジュリアン君とエレノアちゃんとヘーゼルちゃんと…」
「わ、分かった分かった」
シルナは、配り損ねた生徒の名前を、ズラズラ列挙し始めた。
この男、普段はぽや〜んとしている癖に。
常に、全校生徒の顔と名前を記憶しているのである。
そして、自分が今朝、顔を見なかった生徒の名前もちゃんと覚えている。
無駄な才能を発揮していく。
更に。
「その生徒達皆、南の地方から来てる子達なんだよ!」
と、シルナは言った。
顔の名前どころか、生徒の出身地まで覚えている始末。
これ、毎年だからな。この記憶力だけは、さすがだと思う。
…で、南の都市だって?
「何だってそんなことになってんだ…?」
まさか、今日から二学期だってことを忘れた訳じゃないよな?
それも、南の地方から来てる生徒に限って。
それは確かにおかしい…と、思っていると。
「あ、学院長先生、良かった。戻ってたんですね」
と、この場にいなかった、最後のイーニシュフェルト魔導学院の教員が、学院長室に入ってきた。


