「私はっ…私は嬉しいよ…!」
「あ、そう…」
「もういっそこのまま…二人共、本当に結婚したらどうかな…!?」
あんたまで、何を言い出すんだよ。
「それは遠慮しとくよ」
「そっか…!残念だなぁ…!」
何でだ。
「本ッ当、ごめんな…?シルナがアホで…」
謝罪する羽久。
あんたが悪い訳じゃないけどな。
「…でも、俺も本当に結婚してもアリだと思うよ」
前言撤回。
あんたも何言ってんだよ。アホかよ。
「じゃあ、俺は招待席から見てるよ。結婚式、頑張れよ」
「…あぁ…」
「頑張るよ〜」
ひらひらと手を振るベリクリーデ。
結婚式を頑張るって、なかなかのパワーワードた。
「あっ、ウェディングケーキ期待しててね〜!すっごく大きくて、美味しそうだから!」
羽久に引き摺られて、控え室を後にしながら。
シルナ・エインリーは、手を振りながらそう言った。
…命が懸かってること、忘れてんじゃないかってくらい呑気だな。
いや、でも…確かに、この状況でシルナ・エインリーのあの態度は、確かに不自然…なような。
そもそも、『白雪姫と七人の小人』っていう魔法道具の存在そのものが…。
これまで結婚式の準備で忙しくて、深くは考えないようにしていたが…。
どうにも、気にかかる…。
「ジュリス、これ見て。ブーケって言うんだって。これをねー、ぶん投げるんだって、空高くまで」
考え込みそうになったところを、ベリクリーデのアホな発言で、現実に引き戻された。
おい。こいつにブーケトスの説明をしたのは誰だ?
危うく、ブーケが成層圏を越え、大気圏を突破してから地上に戻ってくるところだった。
いや、その前に燃え尽きるけども。
「アホか。砲丸投げじゃないんだよ。軽く、ポーンと投げるだけで良い」
誰もキャッチ出来ないだろうが。
良いか、今回の結婚式は、とにかく見栄えが大事なんだからな。
オレンジ小人を満足させるような、メルヘンでロマンチックな結婚式が。
ブーケトスが大気圏離脱なんて、洒落にならん。
俺は慌てて、ベリクリーデにブーケトスのやり方を、改めて教えることにした。
そのときには既に、『白雪姫と七人の小人』についての疑問は、頭の中から抜けていた。
「あ、そう…」
「もういっそこのまま…二人共、本当に結婚したらどうかな…!?」
あんたまで、何を言い出すんだよ。
「それは遠慮しとくよ」
「そっか…!残念だなぁ…!」
何でだ。
「本ッ当、ごめんな…?シルナがアホで…」
謝罪する羽久。
あんたが悪い訳じゃないけどな。
「…でも、俺も本当に結婚してもアリだと思うよ」
前言撤回。
あんたも何言ってんだよ。アホかよ。
「じゃあ、俺は招待席から見てるよ。結婚式、頑張れよ」
「…あぁ…」
「頑張るよ〜」
ひらひらと手を振るベリクリーデ。
結婚式を頑張るって、なかなかのパワーワードた。
「あっ、ウェディングケーキ期待しててね〜!すっごく大きくて、美味しそうだから!」
羽久に引き摺られて、控え室を後にしながら。
シルナ・エインリーは、手を振りながらそう言った。
…命が懸かってること、忘れてんじゃないかってくらい呑気だな。
いや、でも…確かに、この状況でシルナ・エインリーのあの態度は、確かに不自然…なような。
そもそも、『白雪姫と七人の小人』っていう魔法道具の存在そのものが…。
これまで結婚式の準備で忙しくて、深くは考えないようにしていたが…。
どうにも、気にかかる…。
「ジュリス、これ見て。ブーケって言うんだって。これをねー、ぶん投げるんだって、空高くまで」
考え込みそうになったところを、ベリクリーデのアホな発言で、現実に引き戻された。
おい。こいつにブーケトスの説明をしたのは誰だ?
危うく、ブーケが成層圏を越え、大気圏を突破してから地上に戻ってくるところだった。
いや、その前に燃え尽きるけども。
「アホか。砲丸投げじゃないんだよ。軽く、ポーンと投げるだけで良い」
誰もキャッチ出来ないだろうが。
良いか、今回の結婚式は、とにかく見栄えが大事なんだからな。
オレンジ小人を満足させるような、メルヘンでロマンチックな結婚式が。
ブーケトスが大気圏離脱なんて、洒落にならん。
俺は慌てて、ベリクリーデにブーケトスのやり方を、改めて教えることにした。
そのときには既に、『白雪姫と七人の小人』についての疑問は、頭の中から抜けていた。


