神殺しのクロノスタシスⅣ

シュニィが、腕時計を確認した。

「そろそろ、ベリクリーデさんの準備も終わった頃ですね。一度、ベリクリーデさんにも声をかけておきますか?」

ベリクリーデか…。

あいつ、今頃何考えてるんだろうな。

少しは事の重みを自覚して、緊張しているだろうか?

…ないな。あいつに限って、それはない。

断言しても良い。

だから一応、釘を刺しておくか。

「そうだな。一回会っておいた方が良いだろう」

と言って、俺は立ち上がった。

支度が済んでるなら、会いに行っても構わないだろう。

「では、ベリクリーデさんのところに行ってみましょう。…ベリクリーデさん、凄く綺麗でしたから、きっとジュリスさんも驚きますよ」

だから、にこにこしながら言うことじゃねぇって。

昔から、馬子にも衣装と言うしな。

そもそもベリクリーデは、見た目だけは美人だからな。

中身が、外見の良さを全て台無しにしてるだけで。

とりあえず見た目は良いのだから、今日は余計なことを言ったりしたりせず、大人しくしておいてくれれば御の字だ。

シュニィと共に、俺は新婦用の控え室にやって来た。

「ベリクリーデさん、入りますね」

「いーよー」

部屋の中から聞こえる、超呑気なベリクリーデの声に、思わず溜め息をつきそうになった…が。

控え室の扉を開けると、俺は溜め息どころか、何の言葉も出なくなった。

「ベリクリーデさん。支度は終わりました?」

「うん、出来た」

「そうですか。…やっぱり、とてもよくお似合いですよ」

「そうかな」

「えぇ。自信を持ってくださいね」

シュニィは、気さくにベリクリーデに話しかけていたけども。

俺は、何も言えなかった。