「え…何でですか?」
「何でじゃねぇ。お前らには子供がいるだろ。お前らに何かあったら、残された子供はどうなるんだ」
…言われてみれば、その通りだ。
そうだな。ジュリスの言い分が正しい。
「それは…でも…」
「良いから、お前らは残っとけ。聖魔騎士団を束ねるお前らは、残ってなきゃ駄目だ」
「そうだね、シュニィちゃん。アトラス君。聖魔騎士団の為にも、何よりアイナちゃんとレグルス君の為にも、二人は残った方が良い」
ジュリスに加えてシルナも、シュニィとアトラスに残留を促す。
うん。俺もその方が良いと思う。
最悪俺は、死んでも自分の命を失うだけで済むが。
この二人の場合、まだ小さい子供がいるんだ。
アイナとレグルスには、両親が必要だ。
「…済みません…」
「…面目ない。後のことは頼む」
僅かに思案した後、シュニィもアトラスも渋々ながらに頷いた。
あぁ、その方が良い。
「でも、皆さん…どうかご無事で」
「心配しないでください。必ず戻りますから」
「えぇ。白雪姫だか何だか知りませんが…恐れるに足りません」
エリュティアもクュルナも、頼もしい限りだ。
そして。
「よし、頑張ろうジュリス」
「…頑張ろうってお前…。そういや、お前も死んだら困るんじゃないか?神の器的に…」
意気込むベリクリーデに、ジュリスが思い出したかのようにそう言った。
…そういえば…。
「何で?」
「いや、何でって…。だから、お前にもしものことがあったら、神の器がさ…。いやまぁ、そんなこと言ってたら、どんどん人員が減るからアレなんだけど…」
「…?」
ジュリス。
多分ベリクリーデ、分かってないぞ。
めちゃくちゃきょとんとしてる。
「それに、お前は感情を教える側じゃなくて、むしろ教えられる側だろ」
ジュリスよ、それを言っちゃったら…終わりだろ。
それはそうかもしれないけども。
「何で?」
「いや、だから何でって言われてもさ…」
「でも、ジュリスは何処か行くんでしょ?」
「何処かって、イーニシュフェルト魔導学院な。『白雪姫と七人の小人』の契約者になりに行くんだよ」
「白雪姫?わー、何だか面白そう」
やっぱり分かってないんじゃないか?
字面のメルヘンさに騙されてる。
「楽しそうだから、私も行くよ」
「楽しくはねぇよ」
「そうなの?でも、ジュリスも行くんでしょ?」
「俺は行くよ。別に失うものはないからな」
「じゃあ、私も行くよ」
「…何が『じゃあ』なんだよ…」
…苦労してんな、ジュリス。
まぁでも、ベリクリーデの気持ちも分かる。
俺だって、シルナが行くところなら、そこがメルヘンだろうと地獄だろうと、何処でもついていくからな。
「何でじゃねぇ。お前らには子供がいるだろ。お前らに何かあったら、残された子供はどうなるんだ」
…言われてみれば、その通りだ。
そうだな。ジュリスの言い分が正しい。
「それは…でも…」
「良いから、お前らは残っとけ。聖魔騎士団を束ねるお前らは、残ってなきゃ駄目だ」
「そうだね、シュニィちゃん。アトラス君。聖魔騎士団の為にも、何よりアイナちゃんとレグルス君の為にも、二人は残った方が良い」
ジュリスに加えてシルナも、シュニィとアトラスに残留を促す。
うん。俺もその方が良いと思う。
最悪俺は、死んでも自分の命を失うだけで済むが。
この二人の場合、まだ小さい子供がいるんだ。
アイナとレグルスには、両親が必要だ。
「…済みません…」
「…面目ない。後のことは頼む」
僅かに思案した後、シュニィもアトラスも渋々ながらに頷いた。
あぁ、その方が良い。
「でも、皆さん…どうかご無事で」
「心配しないでください。必ず戻りますから」
「えぇ。白雪姫だか何だか知りませんが…恐れるに足りません」
エリュティアもクュルナも、頼もしい限りだ。
そして。
「よし、頑張ろうジュリス」
「…頑張ろうってお前…。そういや、お前も死んだら困るんじゃないか?神の器的に…」
意気込むベリクリーデに、ジュリスが思い出したかのようにそう言った。
…そういえば…。
「何で?」
「いや、何でって…。だから、お前にもしものことがあったら、神の器がさ…。いやまぁ、そんなこと言ってたら、どんどん人員が減るからアレなんだけど…」
「…?」
ジュリス。
多分ベリクリーデ、分かってないぞ。
めちゃくちゃきょとんとしてる。
「それに、お前は感情を教える側じゃなくて、むしろ教えられる側だろ」
ジュリスよ、それを言っちゃったら…終わりだろ。
それはそうかもしれないけども。
「何で?」
「いや、だから何でって言われてもさ…」
「でも、ジュリスは何処か行くんでしょ?」
「何処かって、イーニシュフェルト魔導学院な。『白雪姫と七人の小人』の契約者になりに行くんだよ」
「白雪姫?わー、何だか面白そう」
やっぱり分かってないんじゃないか?
字面のメルヘンさに騙されてる。
「楽しそうだから、私も行くよ」
「楽しくはねぇよ」
「そうなの?でも、ジュリスも行くんでしょ?」
「俺は行くよ。別に失うものはないからな」
「じゃあ、私も行くよ」
「…何が『じゃあ』なんだよ…」
…苦労してんな、ジュリス。
まぁでも、ベリクリーデの気持ちも分かる。
俺だって、シルナが行くところなら、そこがメルヘンだろうと地獄だろうと、何処でもついていくからな。


