「令月君。君の中には劣等感がある。その劣等感の正体は何か?魔導適性だ。そうだよね?」
「…」
…こいつ…。
この、クソ小人…。
「令月君は嫉妬される側にならなきゃいけないのに、嫉妬する側のすぐり君に、劣等感を抱いていちゃいけない」
「…」
「だから、君に魔導適性をあげる。ろくな魔法しか使えないのが、君の劣等感だったんだろう?もうそんな気持ちを抱く必要はないんだよ」
小人は、にやにやと嬉しそうに笑った。
最高にムカつく笑顔だ。
「君の望むものをあげたよ。魔導適性。これで君は、もうすぐり君なんかに劣等感を抱く必要はない。君だって、もう魔法が使えるんだからね」
すぐり「なんか」って、何だよ。
こいつが、令月とすぐりの何を知ってるって言うんだ。
この二人が抱えているものの、何を…。
「魔法…。使えるの?僕が…」
初めて、令月が口を開いた。
「うん、使えるよ」
「何でも使えるの?炎魔法でも、風魔法でも…」
「勿論!これで、君がすぐり君に劣っているところは、何一つなくなったんだ。嬉しいね!」
…。
それは…でも、令月にとっては…。
更に。
このド畜生小人は、すぐりの心にナイフを突き立てるようなことを言った。
「対するすぐり君。君はこれで、令月君に勝ってるところが、何一つなくなったね」
イレースじゃないが。
俺は、この小人を殴りたくなる衝動を、必死に堪えなければならなかった。
「…非常にムカつきますね。殴って良いでしょうか」
「い、イレースさん…。何とか、抑えて…」
イレースと天音が、ボソボソ呟いていた。
イレース。その気持ちはよく分かる。
しかし、小人の舌鋒は止まらない。
「それだけが、唯一の取り柄だったもんね〜。他の全てに劣ってても、自分は魔導適性があるから、って思い込んで、何とか自分を慰めてたんでしょ?」
「…」
挑発するように言われても、すぐりは答えない。
ただ、無言で小人を見つめている。
「でも、令月君にも魔導適性が備わったら…君の長所なんて、何一つなくなる。完全に、令月君の下位互換に成り下がったね!」
イレース。
やっぱりぶん殴って良いと思うわ。俺。
何が、誰が令月の下位互換だって?
脳みそも目玉も腐ってるのか。この小人。
何を馬鹿なことを、と俺は思うけれど。
しかしそのとき、初めて。
黄色小人の、嫉妬の小瓶の中に。
黄色い液体が、じわじわと溜まり始めていた。
「…」
…こいつ…。
この、クソ小人…。
「令月君は嫉妬される側にならなきゃいけないのに、嫉妬する側のすぐり君に、劣等感を抱いていちゃいけない」
「…」
「だから、君に魔導適性をあげる。ろくな魔法しか使えないのが、君の劣等感だったんだろう?もうそんな気持ちを抱く必要はないんだよ」
小人は、にやにやと嬉しそうに笑った。
最高にムカつく笑顔だ。
「君の望むものをあげたよ。魔導適性。これで君は、もうすぐり君なんかに劣等感を抱く必要はない。君だって、もう魔法が使えるんだからね」
すぐり「なんか」って、何だよ。
こいつが、令月とすぐりの何を知ってるって言うんだ。
この二人が抱えているものの、何を…。
「魔法…。使えるの?僕が…」
初めて、令月が口を開いた。
「うん、使えるよ」
「何でも使えるの?炎魔法でも、風魔法でも…」
「勿論!これで、君がすぐり君に劣っているところは、何一つなくなったんだ。嬉しいね!」
…。
それは…でも、令月にとっては…。
更に。
このド畜生小人は、すぐりの心にナイフを突き立てるようなことを言った。
「対するすぐり君。君はこれで、令月君に勝ってるところが、何一つなくなったね」
イレースじゃないが。
俺は、この小人を殴りたくなる衝動を、必死に堪えなければならなかった。
「…非常にムカつきますね。殴って良いでしょうか」
「い、イレースさん…。何とか、抑えて…」
イレースと天音が、ボソボソ呟いていた。
イレース。その気持ちはよく分かる。
しかし、小人の舌鋒は止まらない。
「それだけが、唯一の取り柄だったもんね〜。他の全てに劣ってても、自分は魔導適性があるから、って思い込んで、何とか自分を慰めてたんでしょ?」
「…」
挑発するように言われても、すぐりは答えない。
ただ、無言で小人を見つめている。
「でも、令月君にも魔導適性が備わったら…君の長所なんて、何一つなくなる。完全に、令月君の下位互換に成り下がったね!」
イレース。
やっぱりぶん殴って良いと思うわ。俺。
何が、誰が令月の下位互換だって?
脳みそも目玉も腐ってるのか。この小人。
何を馬鹿なことを、と俺は思うけれど。
しかしそのとき、初めて。
黄色小人の、嫉妬の小瓶の中に。
黄色い液体が、じわじわと溜まり始めていた。


