「…こんな札束もらっても、全然嬉しくない」
万札の山を前にしているのに、令月はつまらなさそうな顔だった。
山のような現金を前に、こう言ってのけるのだから…無欲と言うか、何と言うか…。
ただ、お金の価値が分かっていないだけなんだろうけど。
「こんなんじゃあ、俺は嫉妬しないな〜」
すぐりも、この余裕の表情。
お前達はそうだろうな。
「…お金は効果がない?それなら…」
すると、今度は。
令月の前に、大量の宝石の山が、ドン、と現れた。
眩しっ。
「ほらご覧、素敵な宝石だろう?」
「…」
令月は、突然目の前に現れた、大量の貴金属にきょとん。
ゴールドやシルバー、プラチナのネックレス、ブレスレット、アンクレットその他。
大粒のダイヤモンドがついた指輪や、ルビーやサファイアをあしらったネックレス、真珠のイヤリングもある。
成金かよ。
令月は、ジャラジャラと宝石のついたネックレスや指輪を、ぽやんと眺めていた。
これが何になるんだろう、とか思ってそう。
しかし、黄色小人はそんなことにも気づかず。
「はい、君にはこっち」
そう言って、すぐりの前に出したのは。
…おはじき、一枚。
…何でそうなった?
「どう?羨ましいでしょ?あの子は宝石、君にはそんなつまらない玩具。嫉妬するよね。妬ましいよね?」
「…はいナジュせんせー、パース」
「はーい」
すぐりは小人を無視して、おはじきをナジュに向かって指で弾く。
ナジュが、それを指でキャッチ。
遊んどる。普通に。
「すぐりさんって、おはじき知ってるんですね」
「これくらいなら、かろうじて実家にあったからね。たまに弾いて遊んでた」
おはじきで、ナジュとキャッチボールならぬ、キャッチおはじきやってる。
アイスホッケーみたいだな。
「…」
令月は、そんなすぐりとナジュをじっと見つめ。
「…僕もおはじきの方が良いなぁ」
と、ポツリと呟いた。
目が眩むばかりの宝石の山を前にして、おはじきの方を望むとは。
これじゃ、嫉妬してるのはどっちだか。
でも、確かにそうかもな。
宝石なんていくらあっても、令月にとっては楽しくもなんともないだろう。
それならむしろおはじきをもらって、誰かと遊んだ方がマシというものだ。
万札の山を前にしているのに、令月はつまらなさそうな顔だった。
山のような現金を前に、こう言ってのけるのだから…無欲と言うか、何と言うか…。
ただ、お金の価値が分かっていないだけなんだろうけど。
「こんなんじゃあ、俺は嫉妬しないな〜」
すぐりも、この余裕の表情。
お前達はそうだろうな。
「…お金は効果がない?それなら…」
すると、今度は。
令月の前に、大量の宝石の山が、ドン、と現れた。
眩しっ。
「ほらご覧、素敵な宝石だろう?」
「…」
令月は、突然目の前に現れた、大量の貴金属にきょとん。
ゴールドやシルバー、プラチナのネックレス、ブレスレット、アンクレットその他。
大粒のダイヤモンドがついた指輪や、ルビーやサファイアをあしらったネックレス、真珠のイヤリングもある。
成金かよ。
令月は、ジャラジャラと宝石のついたネックレスや指輪を、ぽやんと眺めていた。
これが何になるんだろう、とか思ってそう。
しかし、黄色小人はそんなことにも気づかず。
「はい、君にはこっち」
そう言って、すぐりの前に出したのは。
…おはじき、一枚。
…何でそうなった?
「どう?羨ましいでしょ?あの子は宝石、君にはそんなつまらない玩具。嫉妬するよね。妬ましいよね?」
「…はいナジュせんせー、パース」
「はーい」
すぐりは小人を無視して、おはじきをナジュに向かって指で弾く。
ナジュが、それを指でキャッチ。
遊んどる。普通に。
「すぐりさんって、おはじき知ってるんですね」
「これくらいなら、かろうじて実家にあったからね。たまに弾いて遊んでた」
おはじきで、ナジュとキャッチボールならぬ、キャッチおはじきやってる。
アイスホッケーみたいだな。
「…」
令月は、そんなすぐりとナジュをじっと見つめ。
「…僕もおはじきの方が良いなぁ」
と、ポツリと呟いた。
目が眩むばかりの宝石の山を前にして、おはじきの方を望むとは。
これじゃ、嫉妬してるのはどっちだか。
でも、確かにそうかもな。
宝石なんていくらあっても、令月にとっては楽しくもなんともないだろう。
それならむしろおはじきをもらって、誰かと遊んだ方がマシというものだ。


