こうして、無事に最初の試練を終え。
黒い小人は、黒い液体で満たされた小瓶を持って、棺桶の中に消えていった。
…半泣きで。
それはしょうがない。相手にした人物が悪かった。
恨むなら、そんな愚かな選択をした自分を恨め。
小人が棺桶に消えると同時に、白雪姫が両手に包んでいる空の瓶の底に、黒い液体が溜まった。
これが、さっき黒い小人が学習した「恐怖」か。
そして。
「まさかこんなに早く、『恐怖』を学習してしまうなんてね〜…。一体君達、何をしたの?」
黄色い服の小人が、首を傾げて聞いた。
「…あなたも体験してみますか?」
イレースが怖い。
まだ消化不良なのか、授業の続きをやりたいらしい。
もう良いよあんな授業は。金輪際御免だ。
「僕が教えてもらうのは、『恐怖』じゃない。僕は『嫉妬』の小人さ。君達に、嫉妬心を教えてもらうよ」
…「嫉妬」…。
第二の試練は、嫉妬か。
これは難しい。恐怖なら、誰しも本能的に備わっているものだから、そこを刺激してやれば簡単に教えられるが。
嫉妬心というのは、なかなか教えようと思って教えられるものではない。
「さぁ、誰が契約する?誰が僕に『嫉妬』を教えてくれるのかな?」
にやにやと、挑発するように誘う黄色い小人。
ムカつく。
しかし、イレースのときと違って、こちらに契約者の選択権を与えてくれるだけ有り難いのかもしれない。
ならば…。
やはりここは、俺、
「嫉妬ね?嫉妬嫉妬。嫉妬なら、俺が一番よく知ってるんじゃないかな?」
と。
真っ先に声をあげたのは、すぐりだった。
黒い小人は、黒い液体で満たされた小瓶を持って、棺桶の中に消えていった。
…半泣きで。
それはしょうがない。相手にした人物が悪かった。
恨むなら、そんな愚かな選択をした自分を恨め。
小人が棺桶に消えると同時に、白雪姫が両手に包んでいる空の瓶の底に、黒い液体が溜まった。
これが、さっき黒い小人が学習した「恐怖」か。
そして。
「まさかこんなに早く、『恐怖』を学習してしまうなんてね〜…。一体君達、何をしたの?」
黄色い服の小人が、首を傾げて聞いた。
「…あなたも体験してみますか?」
イレースが怖い。
まだ消化不良なのか、授業の続きをやりたいらしい。
もう良いよあんな授業は。金輪際御免だ。
「僕が教えてもらうのは、『恐怖』じゃない。僕は『嫉妬』の小人さ。君達に、嫉妬心を教えてもらうよ」
…「嫉妬」…。
第二の試練は、嫉妬か。
これは難しい。恐怖なら、誰しも本能的に備わっているものだから、そこを刺激してやれば簡単に教えられるが。
嫉妬心というのは、なかなか教えようと思って教えられるものではない。
「さぁ、誰が契約する?誰が僕に『嫉妬』を教えてくれるのかな?」
にやにやと、挑発するように誘う黄色い小人。
ムカつく。
しかし、イレースのときと違って、こちらに契約者の選択権を与えてくれるだけ有り難いのかもしれない。
ならば…。
やはりここは、俺、
「嫉妬ね?嫉妬嫉妬。嫉妬なら、俺が一番よく知ってるんじゃないかな?」
と。
真っ先に声をあげたのは、すぐりだった。


