それでも、イレースの授業は続く。
小人に、恐怖を教える為に。
「みみみ、三つ目は、虫責め。身体に大量の虫を這わせたり、身体に蜂蜜を塗って木に縛り付けて…虫に集らせる…」
「声!」
「よっ!四つ目は、専用の拷問具による拷問。爪剥ぎや、鉄帽子を被らせる。粉砕機で膝や踵、頭部を粉砕したり…うげぇぇ」
気持ちは分かる。
もうな、この、写真で吐きそうだもん。
怖いとか通り越して、おぞましい。
しかしイレース先生は、容赦はしてくれない。
「まともに読むことも出来ないんですか。このボンクラ!」
再び、脳天に拳骨。
これはこれで、ある種の拷問だよなぁ。
拳骨一発では済まず、往復ビンタを繰り出す。
あれは痛ぇわ。
容赦なさ過ぎるわ。
同情はしないけどな。
「もう良いです。まともに読むことも出来ないなら、代わりに実物をお見せしましょう」
「じ、実物…?」
声が裏返っている小人。
瓶の中は、黒い液体が半分まで溜まっている。
そしてその中身は、刻一刻と増え続けている。
「天音さん。例のものを持ってきてください」
「は、はいっ!!」
自分もビンタを食らうと思ったのか、キビキビと返事をして立ち上がり。
教室の奥に用意していたものを、ガラガラと台車に乗せて持ってくる天音。
大丈夫だ天音。お前は殴られないから。
「こ、これで良いでしょうか…」
「えぇ、宜しい。着席しなさい」
「はいっ」
イレースは、台車に被せられた布を剥ぎ取った。
すると、そこには。
「ご紹介しましょう。我が学院にある拷問具、ファラリスの雄牛です」
…いや、まぁ、あったけどさ。
元々うちの学院、何故かこんなエグい拷問具、あったけどさ。
まさか、ここに来てこんな風に役立つとは、思ってなかったよ。
これまで何度も話題に出ていたこともあって、俺達は特に驚きもしなかったが。
初めて実物を見る小人は、口をあんぐり開け、目を見開いて固まっていた。
誰しも本物の拷問具を見れば、そうなる。
「そして、今回…魔導教育委員会からもらった奨励金の余りで買った新入り…」
イレースは、もう一台の台車に被せた布を払い去った。
すると、そこに鎮座していたのは、
「ナジュさん。質問です」
「はい、何でしょうかイレース鬼教官」
おい。ビンタされるぞ。
「これは何と言う拷問具でしょう?」
「鉄の処女。アイアン・メイデンですね」
我がイーニシュフェルト魔導学院に、新たに仲間入りした拷問具第二弾。
鉄の処女、アイアン・メイデンである。
まさか魔導教育委員会の人も、奨励金(の、あまり)で、こんなものを購入しているとは思ってないだろうなぁ。
来年からなくなるかも。奨励金。
小人に、恐怖を教える為に。
「みみみ、三つ目は、虫責め。身体に大量の虫を這わせたり、身体に蜂蜜を塗って木に縛り付けて…虫に集らせる…」
「声!」
「よっ!四つ目は、専用の拷問具による拷問。爪剥ぎや、鉄帽子を被らせる。粉砕機で膝や踵、頭部を粉砕したり…うげぇぇ」
気持ちは分かる。
もうな、この、写真で吐きそうだもん。
怖いとか通り越して、おぞましい。
しかしイレース先生は、容赦はしてくれない。
「まともに読むことも出来ないんですか。このボンクラ!」
再び、脳天に拳骨。
これはこれで、ある種の拷問だよなぁ。
拳骨一発では済まず、往復ビンタを繰り出す。
あれは痛ぇわ。
容赦なさ過ぎるわ。
同情はしないけどな。
「もう良いです。まともに読むことも出来ないなら、代わりに実物をお見せしましょう」
「じ、実物…?」
声が裏返っている小人。
瓶の中は、黒い液体が半分まで溜まっている。
そしてその中身は、刻一刻と増え続けている。
「天音さん。例のものを持ってきてください」
「は、はいっ!!」
自分もビンタを食らうと思ったのか、キビキビと返事をして立ち上がり。
教室の奥に用意していたものを、ガラガラと台車に乗せて持ってくる天音。
大丈夫だ天音。お前は殴られないから。
「こ、これで良いでしょうか…」
「えぇ、宜しい。着席しなさい」
「はいっ」
イレースは、台車に被せられた布を剥ぎ取った。
すると、そこには。
「ご紹介しましょう。我が学院にある拷問具、ファラリスの雄牛です」
…いや、まぁ、あったけどさ。
元々うちの学院、何故かこんなエグい拷問具、あったけどさ。
まさか、ここに来てこんな風に役立つとは、思ってなかったよ。
これまで何度も話題に出ていたこともあって、俺達は特に驚きもしなかったが。
初めて実物を見る小人は、口をあんぐり開け、目を見開いて固まっていた。
誰しも本物の拷問具を見れば、そうなる。
「そして、今回…魔導教育委員会からもらった奨励金の余りで買った新入り…」
イレースは、もう一台の台車に被せた布を払い去った。
すると、そこに鎮座していたのは、
「ナジュさん。質問です」
「はい、何でしょうかイレース鬼教官」
おい。ビンタされるぞ。
「これは何と言う拷問具でしょう?」
「鉄の処女。アイアン・メイデンですね」
我がイーニシュフェルト魔導学院に、新たに仲間入りした拷問具第二弾。
鉄の処女、アイアン・メイデンである。
まさか魔導教育委員会の人も、奨励金(の、あまり)で、こんなものを購入しているとは思ってないだろうなぁ。
来年からなくなるかも。奨励金。


