「このように現代でも、国や、所属する組織によっては、まだまだ拷問は現役です」
教員イレースが、黒板にさらさらと拷問の歴史を書いていた。
恐ろしい授業だよ。
余裕綽々だった小人も、今では真顔だ。
よく見ると、小人が机の上に置いている、小さな小瓶。
空っぽだったはずの小瓶に、黒い液体らしきものが溜まってきている。
何だあれ。
少し考えて、ピンと来た。
あれは、恐怖ゲージだ。
小人は少しずつ、イレースの授業の成果で、恐怖を学習し始めている。
あれがいっぱいになれば、小人の試練を突破したことになるのだろう。
良い調子だぞ、イレース。頑張れ。
「さてここからは、様々な拷問の種類を紹介していくとしましょう。今から冊子を配るので、これを見ながら授業を進めます」
そう言って。
イレースは、昨日作成したレジュメを一人一人に配った。
これ、俺達が昨日手伝ったレジュメだ。
だから、その中身は知っているはずなのだが…。
「…うげ」
思わず、目を背けずにはいられなかった。
だって、このレジュメ。
ペラペラ捲るだけで、気が遠くなりそう。
様々な拷問道具の写真、拷問を受けている様子の写真、イラストなどが。
ご丁寧に、フルカラーで印刷されている。
これはエグい。
「それでは、小人さん」
「…」
イレースに呼ばれたが、小人は手元のレジュメにドン引きしていて、返事をするどころではなかった。
が、それが悪かった。
バチンッ!と、ビンタ三発目。
再び、小人が椅子からふっ飛ばされた。
相変わらず容赦がねぇ。
それどころか、
「教師の指示に従わないとは、何様のつもりです?」
小人を足蹴にして、凍りそうなほど冷たい目で見下ろす。
これはやべぇよ。鬼教官だ鬼教官。
「ひ、ひぃっ…」
「ひいじゃないんですよ。さっさと席について、そして1ページ目から音読!」
「は、はい…」
「声が小さい!」
「はいっ!」
よし、その調子で行け。
よろよろと席に戻った小人は、レジュメを読み始めた。
「ひ、一つ目は、鞭打ち拷問。古来から行われてきた、歴史の古い拷問で…公開で行われることが多い。トゲがついた鞭や、革で出来た鞭等で、特定回数殴る。き、傷痕が残りやすくて、皮膚が裂けて血が噴き出…うぇっ」
気持ちは分かる。
「さっさと続きを読む!」
が、容赦はしてくれないイレース先生。
「ふ、二つ目は火責め。これも古来から行われている拷問で、煮えたお湯や油の中に突き落としたり…。身体の一部を火で燃やしたり…。焼きゴテを身体に押し付けて、皮膚に消えない烙印をつけ…おぇっ」
気持ちは分かる。
「続き!それと、声が小さい!」
が、容赦のない舌鋒を飛ばすイレース先生。
ちなみにこの間シルナは、必死にレジュメから目を逸らして、ガタガタ震えている。
それも仕方ない。
読んでいるこのレジュメ、文字だけではない。
ご丁寧に、鞭打ちや火責めの拷問写真、焼きゴテを押されて皮膚の爛れた写真が、やはりフルカラーで印刷されている。
これは、目を逸らしたくなるのも分かるよ。
平気で見ているのは、例の三人だけだ。
教員イレースが、黒板にさらさらと拷問の歴史を書いていた。
恐ろしい授業だよ。
余裕綽々だった小人も、今では真顔だ。
よく見ると、小人が机の上に置いている、小さな小瓶。
空っぽだったはずの小瓶に、黒い液体らしきものが溜まってきている。
何だあれ。
少し考えて、ピンと来た。
あれは、恐怖ゲージだ。
小人は少しずつ、イレースの授業の成果で、恐怖を学習し始めている。
あれがいっぱいになれば、小人の試練を突破したことになるのだろう。
良い調子だぞ、イレース。頑張れ。
「さてここからは、様々な拷問の種類を紹介していくとしましょう。今から冊子を配るので、これを見ながら授業を進めます」
そう言って。
イレースは、昨日作成したレジュメを一人一人に配った。
これ、俺達が昨日手伝ったレジュメだ。
だから、その中身は知っているはずなのだが…。
「…うげ」
思わず、目を背けずにはいられなかった。
だって、このレジュメ。
ペラペラ捲るだけで、気が遠くなりそう。
様々な拷問道具の写真、拷問を受けている様子の写真、イラストなどが。
ご丁寧に、フルカラーで印刷されている。
これはエグい。
「それでは、小人さん」
「…」
イレースに呼ばれたが、小人は手元のレジュメにドン引きしていて、返事をするどころではなかった。
が、それが悪かった。
バチンッ!と、ビンタ三発目。
再び、小人が椅子からふっ飛ばされた。
相変わらず容赦がねぇ。
それどころか、
「教師の指示に従わないとは、何様のつもりです?」
小人を足蹴にして、凍りそうなほど冷たい目で見下ろす。
これはやべぇよ。鬼教官だ鬼教官。
「ひ、ひぃっ…」
「ひいじゃないんですよ。さっさと席について、そして1ページ目から音読!」
「は、はい…」
「声が小さい!」
「はいっ!」
よし、その調子で行け。
よろよろと席に戻った小人は、レジュメを読み始めた。
「ひ、一つ目は、鞭打ち拷問。古来から行われてきた、歴史の古い拷問で…公開で行われることが多い。トゲがついた鞭や、革で出来た鞭等で、特定回数殴る。き、傷痕が残りやすくて、皮膚が裂けて血が噴き出…うぇっ」
気持ちは分かる。
「さっさと続きを読む!」
が、容赦はしてくれないイレース先生。
「ふ、二つ目は火責め。これも古来から行われている拷問で、煮えたお湯や油の中に突き落としたり…。身体の一部を火で燃やしたり…。焼きゴテを身体に押し付けて、皮膚に消えない烙印をつけ…おぇっ」
気持ちは分かる。
「続き!それと、声が小さい!」
が、容赦のない舌鋒を飛ばすイレース先生。
ちなみにこの間シルナは、必死にレジュメから目を逸らして、ガタガタ震えている。
それも仕方ない。
読んでいるこのレジュメ、文字だけではない。
ご丁寧に、鞭打ちや火責めの拷問写真、焼きゴテを押されて皮膚の爛れた写真が、やはりフルカラーで印刷されている。
これは、目を逸らしたくなるのも分かるよ。
平気で見ているのは、例の三人だけだ。


