神殺しのクロノスタシスⅣ

――――――…と、いうことがあって。

いきなり、棺桶を担いだナジュ、令月、すぐりの三人が学院長室にやって来た。

のが、十五分ほど前のこと。

そのときシルナは、学院長室で…。

…俺に、泣きついていた。

何に泣いているのかと言うと。





「うぇぇぇぇん、羽久ぇ〜…。ヴィクトリアサンドイッチ食べたかったよ〜…。クラフティ〜…」

「…」

食べ損なった、例の『ヘンゼルとグレーテル』とかいう菓子屋の菓子である。

こいつ、まだ言ってる。

まだ言ってるよ。

余程やりたかったんだな、ハロウィンパーティ。

でも無理なんだよ。諦めろ。

「どっちか一個なら!一種類なら!セーフだと思わない!?」

「いや、アウトだろ…」

お前、今までその『ヘンゼルとグレーテル』で頼んだ菓子のせいで、二度もイレースに雷落とされたの覚えてないのか?

一種類でも駄目だよ。

「でも食べたかったのに〜…」

「はいはい…」

何で、俺がお菓子食べたい駄々っ子の相手をしなきゃならないんだよ。

あー面倒臭い…と、思っていたときに。

「お邪魔しまーす」

前述の三人が、白い棺を担いで学院長室にやって来た。