イーニシュフェルト魔導学院に戻り。
俺達は、珠蓮を交えて話をした。
残る最後の欠片について。
「いつの間に、何処の誰が攻略したんだろうね…」
と、呟くシルナ。
本当にな。
聖魔騎士団の誰かなら、隠しておく必要はないだろうし。
そもそも、隠しておく必要がある奴なんて…。
…ん?
「…おい、お前らじゃないだろうな」
「ん?」
「はい?」
そこで、また大人達の話し合いはつまらんとばかりに、将棋を指してる二人組。
令月とすぐりだ。
「お前らもしかして、一回帰ってきてから、またこっそり俺達の目を盗んで、異次元世界に飛び込んだりしてないだろうな?」
そんなことしててみろ。
マジでもう、今度はファラリスの雄牛持ってくるからな。
しかし。
「酷い言い掛かりだね〜。ねー『八千代』」
「うん。僕達良い子だから、二回も異次元世界に飛び込むなんて、そんな悪いことしてないよ」
本当に良い子なんだったらな、そもそも一度でも異次元世界に飛び込まないんだよ。
そして、大人達の話し合いを尻目に、将棋を指したりもしない。
「じゃあ誰だよ…。…ナジュとか?」
「何で僕が槍玉に上げられるんですか…」
「自己犠牲精神が一番大きいのは、お前だからな」
自分死なないんだしいーや、みたいな考えが根底にあるからな。
しかし。
「確かに僕は死ぬ動機がありますが、異次元世界じゃ死ねないし、そもそも賢者の石を隠し持つ理由がないでしょう」
「あ、そうか…」
そうだよな。
令月にしてもすぐりにしても、ナジュにしても。
異次元世界に勝手に飛び込みそうな奴はいても、賢者の石を隠そうとする理由がある奴はいない。
隠して何になるんだ?たった一欠片の石の破片を…。
「困ったね。あと一つなのに…」
と、呟く天音。
これじゃあ、安心して枕を高くして寝られないよな。
すると。
「そんなに心配する必要はない」
珠蓮が、皆を安心させるようなことを言った。
「心配にもなるだろ?」
「心配だったのは、ミルツが賢者の石を隠し持っている可能性だ。他の人間が隠し持つ分には、大して困らない」
…そうか?
いや、でも賢者の石だぞ?
その一欠片で作られた世界に、俺達は揃って四苦八苦させられた訳で。
大して困らないってことはないんじゃないか、と思ったが。
俺達は、珠蓮を交えて話をした。
残る最後の欠片について。
「いつの間に、何処の誰が攻略したんだろうね…」
と、呟くシルナ。
本当にな。
聖魔騎士団の誰かなら、隠しておく必要はないだろうし。
そもそも、隠しておく必要がある奴なんて…。
…ん?
「…おい、お前らじゃないだろうな」
「ん?」
「はい?」
そこで、また大人達の話し合いはつまらんとばかりに、将棋を指してる二人組。
令月とすぐりだ。
「お前らもしかして、一回帰ってきてから、またこっそり俺達の目を盗んで、異次元世界に飛び込んだりしてないだろうな?」
そんなことしててみろ。
マジでもう、今度はファラリスの雄牛持ってくるからな。
しかし。
「酷い言い掛かりだね〜。ねー『八千代』」
「うん。僕達良い子だから、二回も異次元世界に飛び込むなんて、そんな悪いことしてないよ」
本当に良い子なんだったらな、そもそも一度でも異次元世界に飛び込まないんだよ。
そして、大人達の話し合いを尻目に、将棋を指したりもしない。
「じゃあ誰だよ…。…ナジュとか?」
「何で僕が槍玉に上げられるんですか…」
「自己犠牲精神が一番大きいのは、お前だからな」
自分死なないんだしいーや、みたいな考えが根底にあるからな。
しかし。
「確かに僕は死ぬ動機がありますが、異次元世界じゃ死ねないし、そもそも賢者の石を隠し持つ理由がないでしょう」
「あ、そうか…」
そうだよな。
令月にしてもすぐりにしても、ナジュにしても。
異次元世界に勝手に飛び込みそうな奴はいても、賢者の石を隠そうとする理由がある奴はいない。
隠して何になるんだ?たった一欠片の石の破片を…。
「困ったね。あと一つなのに…」
と、呟く天音。
これじゃあ、安心して枕を高くして寝られないよな。
すると。
「そんなに心配する必要はない」
珠蓮が、皆を安心させるようなことを言った。
「心配にもなるだろ?」
「心配だったのは、ミルツが賢者の石を隠し持っている可能性だ。他の人間が隠し持つ分には、大して困らない」
…そうか?
いや、でも賢者の石だぞ?
その一欠片で作られた世界に、俺達は揃って四苦八苦させられた訳で。
大して困らないってことはないんじゃないか、と思ったが。


