ミルツの、この何処までも実直な性格だ。
この期に及んで、見苦しくも嘘を付き、賢者の石の欠片を持ち隠すようなことはしないはずだ。
彼女は明らかに、賢者の石を持っていない。
それどころかミルツは、俺達がとっくに、賢者の石をそっくり全て、取り返したものだと思っている。
「異次元世界から戻ってきたとき、自動的に石も戻ってきているはずです。魔法陣の傍に落ちていませんでしたか?」
「いや、落ちてたけど…」
あるいは、手に持っていたけど。
「なら、全部揃っていないとおかしいです…。私が『サンクチュアリ』の構成員の記憶を元に、賢者の石で作った異次元世界は、10人分…全て壊されたはずです」
え、ちょっと待て。
10人分だと?
異次元世界に行ったのは、最初の吐月達4人、その次に元暗殺者組2人、それから続いて、俺とシルナとナジュで3人…。
9人分の異次元世界を突破して、9個の欠片を手に入れた。
それから、会議室にあった赤い水晶玉の欠片を合わせて、10個。
だから残りの一つは、ミルツが在り処を知っているものと思っていた。
でも、ミルツは賢者の石をもう持っていない。
そして今、気になることを言ったな?
10人分の異次元世界、と。
俺達が破壊したのは、9人分の異次元世界だ。
だから、ミルツが言う通り10人分の異次元世界があるなら、あと一つ、異次元世界が残っていなければならない。
それなのにミルツは、異次元世界は全て壊されたと言う…。
…残る一つの世界を、壊したのは誰だ?
恐らくは、そいつが賢者の石の最後の欠片を持っている…。
「…不味いな。何処の誰だか知らないが…」
異次元世界を破壊出来るほどの実力を持ち、かつそいつが賢者の石を持ち逃げした…となれば。
絶対に、野放しにはしておけない。
一難去ってまた一難とは、このことだ。
この期に及んで、見苦しくも嘘を付き、賢者の石の欠片を持ち隠すようなことはしないはずだ。
彼女は明らかに、賢者の石を持っていない。
それどころかミルツは、俺達がとっくに、賢者の石をそっくり全て、取り返したものだと思っている。
「異次元世界から戻ってきたとき、自動的に石も戻ってきているはずです。魔法陣の傍に落ちていませんでしたか?」
「いや、落ちてたけど…」
あるいは、手に持っていたけど。
「なら、全部揃っていないとおかしいです…。私が『サンクチュアリ』の構成員の記憶を元に、賢者の石で作った異次元世界は、10人分…全て壊されたはずです」
え、ちょっと待て。
10人分だと?
異次元世界に行ったのは、最初の吐月達4人、その次に元暗殺者組2人、それから続いて、俺とシルナとナジュで3人…。
9人分の異次元世界を突破して、9個の欠片を手に入れた。
それから、会議室にあった赤い水晶玉の欠片を合わせて、10個。
だから残りの一つは、ミルツが在り処を知っているものと思っていた。
でも、ミルツは賢者の石をもう持っていない。
そして今、気になることを言ったな?
10人分の異次元世界、と。
俺達が破壊したのは、9人分の異次元世界だ。
だから、ミルツが言う通り10人分の異次元世界があるなら、あと一つ、異次元世界が残っていなければならない。
それなのにミルツは、異次元世界は全て壊されたと言う…。
…残る一つの世界を、壊したのは誰だ?
恐らくは、そいつが賢者の石の最後の欠片を持っている…。
「…不味いな。何処の誰だか知らないが…」
異次元世界を破壊出来るほどの実力を持ち、かつそいつが賢者の石を持ち逃げした…となれば。
絶対に、野放しにはしておけない。
一難去ってまた一難とは、このことだ。


