「…」
あまりにお人好しな珠蓮の言葉に、ミルツは何も言い返せなかった。
でも、珠蓮にとってはそれで充分だった。
言葉を交わさずとも。
「…俺の用事は済んだ。先に戻る」
珠蓮はそう言って、くるりと踵を返して、鉄格子の外に出ていった。
…イケメン過ぎんだろ、あいつ…。
格好つけちゃってさ…。
シルナとは比べ物にならない格好良さ。
「…羽久が私に失礼なことを考えてる気がする…」
「そんなことより」
「そんなことって何?」
「お前、残りの賢者の石はどうした?」
珠蓮はイケメンだから、もうこれ以上詮索はしないつもりのようだが。
俺達としては、その点を確かめずにはいられない。
賢者の石の欠片は、11個あった。
残りの一個が、まだ足りていない。
『サンクチュアリ』の新本拠地をさらってみたが、未だに見つかっていない。
てっきり、ミルツが所持しているか、何処かに隠しているものだと思っていたが…。
あれを回収しないことには、また『サンクチュアリ』の残党が組織を起ち上げる可能性もある。
珠蓮には悪いが、俺達は賢者の石を完全な形で、回収しなければならない。
しかし。
「…残りの賢者の石…?」
ミルツは、戸惑った顔で呟いた。
何?
「お前が持ってるんじゃないのか。残りの一欠片」
「何のことを…?あなた方は異次元世界で、全ての賢者の石を回収したはずでしょう?」
「…!?」
「私が発生させた異次元世界は、全て潰されていました。私は…もう、賢者の石は持っていません」
持ってない…だと?
…これは、想定外だった。
あまりにお人好しな珠蓮の言葉に、ミルツは何も言い返せなかった。
でも、珠蓮にとってはそれで充分だった。
言葉を交わさずとも。
「…俺の用事は済んだ。先に戻る」
珠蓮はそう言って、くるりと踵を返して、鉄格子の外に出ていった。
…イケメン過ぎんだろ、あいつ…。
格好つけちゃってさ…。
シルナとは比べ物にならない格好良さ。
「…羽久が私に失礼なことを考えてる気がする…」
「そんなことより」
「そんなことって何?」
「お前、残りの賢者の石はどうした?」
珠蓮はイケメンだから、もうこれ以上詮索はしないつもりのようだが。
俺達としては、その点を確かめずにはいられない。
賢者の石の欠片は、11個あった。
残りの一個が、まだ足りていない。
『サンクチュアリ』の新本拠地をさらってみたが、未だに見つかっていない。
てっきり、ミルツが所持しているか、何処かに隠しているものだと思っていたが…。
あれを回収しないことには、また『サンクチュアリ』の残党が組織を起ち上げる可能性もある。
珠蓮には悪いが、俺達は賢者の石を完全な形で、回収しなければならない。
しかし。
「…残りの賢者の石…?」
ミルツは、戸惑った顔で呟いた。
何?
「お前が持ってるんじゃないのか。残りの一欠片」
「何のことを…?あなた方は異次元世界で、全ての賢者の石を回収したはずでしょう?」
「…!?」
「私が発生させた異次元世界は、全て潰されていました。私は…もう、賢者の石は持っていません」
持ってない…だと?
…これは、想定外だった。


