「ごめんね、ジュリス君…。そこを何とか、頼めないかな」
シルナが、ここぞとばかりに拝み込んだ。
「血の繋がりはないとはいえ、ミルツちゃんは、珠蓮君は親族みたいなものだし…」
何千年も師弟関係だったんだろう?
なら、もう親族と呼んでも差し支えない。
例え、お互いがお互いをどう思っていようとな。
「…見なかったことにしてくれないかな?シュニィちゃんも、事情は知ってるはずから…」
「…はいはい、分かったよ」
ジュリスは、溜め息混じりに両手を上げ、降参した。
そして、鉄格子の鍵をこちらに放った。
「俺は何も見なかった。ベリクリーデもな。だから、あとは好きにしろよ」
「…ごめんね、恩に着るよ」
見張り番を、この二人にしてくれたのは…シュニィの配慮かもな。
魔導部隊大隊長以外の魔導師だったら、ここで入れる、入れないの押し問答になりかねなかったし。
ジュリスのお陰で、安心して入ることが出来る。
…が。
「…?ジュリス、私は目、見えてるよ?」
よく意味を理解していないらしいベリクリーデである。
「知ってるよ。この三人を中に入れたことを黙ってる、って意味で、『見なかったことにする』って言うんだ」
「?それ、悪いことなんじゃないの?だってここは誰も入れちゃ駄目だって」
「いや、まぁ悪いことなんだけど。ちょっと見逃してやれよ」
「これバレたら、ジュリス、首飛ぶ?飛ばされるの?」
「恐ろしいことを言うな」
「じゃあ、今度私が何か悪いことをしちゃったときも、見逃してね」
「何でそうなるんだよ。お前は駄目に決まってるだろうが」
「えー…。不公平だ」
「良いか。お前のはな、毎回、笑って見逃せるほど可愛いレベルじゃないんだ」
…本当ごめんなジュリス。マジで。
バレても、首は飛ばされないよう口裏合わせとくから。安心してくれ。
シルナが、ここぞとばかりに拝み込んだ。
「血の繋がりはないとはいえ、ミルツちゃんは、珠蓮君は親族みたいなものだし…」
何千年も師弟関係だったんだろう?
なら、もう親族と呼んでも差し支えない。
例え、お互いがお互いをどう思っていようとな。
「…見なかったことにしてくれないかな?シュニィちゃんも、事情は知ってるはずから…」
「…はいはい、分かったよ」
ジュリスは、溜め息混じりに両手を上げ、降参した。
そして、鉄格子の鍵をこちらに放った。
「俺は何も見なかった。ベリクリーデもな。だから、あとは好きにしろよ」
「…ごめんね、恩に着るよ」
見張り番を、この二人にしてくれたのは…シュニィの配慮かもな。
魔導部隊大隊長以外の魔導師だったら、ここで入れる、入れないの押し問答になりかねなかったし。
ジュリスのお陰で、安心して入ることが出来る。
…が。
「…?ジュリス、私は目、見えてるよ?」
よく意味を理解していないらしいベリクリーデである。
「知ってるよ。この三人を中に入れたことを黙ってる、って意味で、『見なかったことにする』って言うんだ」
「?それ、悪いことなんじゃないの?だってここは誰も入れちゃ駄目だって」
「いや、まぁ悪いことなんだけど。ちょっと見逃してやれよ」
「これバレたら、ジュリス、首飛ぶ?飛ばされるの?」
「恐ろしいことを言うな」
「じゃあ、今度私が何か悪いことをしちゃったときも、見逃してね」
「何でそうなるんだよ。お前は駄目に決まってるだろうが」
「えー…。不公平だ」
「良いか。お前のはな、毎回、笑って見逃せるほど可愛いレベルじゃないんだ」
…本当ごめんなジュリス。マジで。
バレても、首は飛ばされないよう口裏合わせとくから。安心してくれ。


