分からないことが多過ぎる。情報が足りない。
どう判断したら良いのか分からない。
これは…暗礁に乗り上げたか、と。
思っていたら。
「はい、王手」
「あ、ちょい待って。一手戻って一手。やり直し」
「え。僕の勝ちだったのに」
「もっかい。もっかいチャンス頂戴」
「良いよ」
…。
なんか、呑気な声がすると思って振り向くと。
令月とすぐりの二人は、眉間に皺を寄せる大人達とは裏腹に。
床に腰を下ろして、将棋盤を囲んでいた。
…何をやってるんだ、こいつらは。
自分達から会議に参加しておきながら、全然発言しないなーと思っていたら。
あろうことか、将棋やってる。
「おい、お前ら」
「ちょっと、気を散らさないでよ。今考えてるんだからさ」
この野郎。
「呑気に将棋して遊んでる場合かよ!」
「呑気じゃないよ。明日の畑の水やり係を賭けて戦ってるんだから」
賭け将棋かよ。余計やめろ。
「お前ら、今の状況分かってるのか?」
賭け将棋なんかやってる場合じゃないことくらい、分かるだろ。
もっと真剣になれ。真剣に。
すると。
「なんか大人達が、難しー話してるからさー」
「うん。正直僕には、よく分からないよ」
「何で大人って、話を面倒臭くするんだろーね?その謎の男は、石を狙ってるんでしょ?だったら、放っておいても勝手に向こうから来るでしょ」
「そこを罠張って捕まえて、事情を聞けば一発で解決するのに。賢者の石の力だの封印だの、そんなのどうでも良いよね」
「全くだよ。こんな分からないことだらけなのに、何だかんだ理屈つけて、憶測ばっか重ねてさー」
「時間の無駄だよね。どんなに頑張って考えたって、真実は一つしかないのに」
「そんなつまんないことしてる暇あったら、将棋でもしてた方がいーよね」
「うん。同じ頭を使うなら、こっちの方が良いよね」
…。
…なぁ。
俺達、さっきまで凄い真剣に話し合ってたんだけど。
子供達に冷静にぶった切られて、かなりショックなんだけど?
どう判断したら良いのか分からない。
これは…暗礁に乗り上げたか、と。
思っていたら。
「はい、王手」
「あ、ちょい待って。一手戻って一手。やり直し」
「え。僕の勝ちだったのに」
「もっかい。もっかいチャンス頂戴」
「良いよ」
…。
なんか、呑気な声がすると思って振り向くと。
令月とすぐりの二人は、眉間に皺を寄せる大人達とは裏腹に。
床に腰を下ろして、将棋盤を囲んでいた。
…何をやってるんだ、こいつらは。
自分達から会議に参加しておきながら、全然発言しないなーと思っていたら。
あろうことか、将棋やってる。
「おい、お前ら」
「ちょっと、気を散らさないでよ。今考えてるんだからさ」
この野郎。
「呑気に将棋して遊んでる場合かよ!」
「呑気じゃないよ。明日の畑の水やり係を賭けて戦ってるんだから」
賭け将棋かよ。余計やめろ。
「お前ら、今の状況分かってるのか?」
賭け将棋なんかやってる場合じゃないことくらい、分かるだろ。
もっと真剣になれ。真剣に。
すると。
「なんか大人達が、難しー話してるからさー」
「うん。正直僕には、よく分からないよ」
「何で大人って、話を面倒臭くするんだろーね?その謎の男は、石を狙ってるんでしょ?だったら、放っておいても勝手に向こうから来るでしょ」
「そこを罠張って捕まえて、事情を聞けば一発で解決するのに。賢者の石の力だの封印だの、そんなのどうでも良いよね」
「全くだよ。こんな分からないことだらけなのに、何だかんだ理屈つけて、憶測ばっか重ねてさー」
「時間の無駄だよね。どんなに頑張って考えたって、真実は一つしかないのに」
「そんなつまんないことしてる暇あったら、将棋でもしてた方がいーよね」
「うん。同じ頭を使うなら、こっちの方が良いよね」
…。
…なぁ。
俺達、さっきまで凄い真剣に話し合ってたんだけど。
子供達に冷静にぶった切られて、かなりショックなんだけど?


