でも、事実として封印は解かれた。
シルナでさえ知らない、封印の解き方を…知っている者がいたのだ。
そいつが封印を解いた。だから、賢者の石がこの世に現れた。
誰なのかは知らないが…余計なことをしてくれたものだ。
「そもそも…封印は、いつ施されたんですか?賢者の石が完成するまでは、封印なんてしてなかったんですよね?」
天音が、そう尋ねた。
「そう。賢者の石を含め…里で研究されていた魔法道具は全て、あのときに…厳重に封印された」
「あのとき、って…」
シルナは僅かに目を伏せて、そして言った。
「…私が神殺しの魔法を使って…イーニシュフェルトの里が崩壊したとき、だよ」
…。
…そう、か。
そうだよな。
研究する者が、皆いなくなってしまったのだから。
悪いことを聞いてしまった。
「里がなくなるに当たって、研究していた魔法道具は、全て長老達が封印した。賢者の石もそうだ」
「…その封印の在処を、お前は知らされてなかったってことか。シルナ…」
「そうだね。場所は知らない…。知っていたところで、解除法は知らないから、場所だけ知っていても仕方ないけどね」
金庫の場所が分かっても、ダイヤルナンバーが分からないのだから意味がない。
…それで、問題なのは。
「学院長先生でさえ知らない封印の解き方を、何故、『サンクチュアリ』が知っていたんでしょう…?」
シュニィが、俺の疑問を代わりに口にしてくれた。
そこだな。気になるのは。
そもそも。
「あなたが知らないなら、封印の解き方を知っていたのは誰です?何か、書物にでも記しているんですか」
と、イレースが尋ねた。
イーニシュフェルトの里唯一の生き残りであるシルナが、封印の解き方を知らないのに。
『サンクチュアリ』は封印を解き、賢者の石を世に出した。
つまり、封印の解き方を知っている者が、何処かにいるのだ。
そいつは誰だ?どうやって、封印の解き方を知った?
「いや、書物には書かれていない。封印の解き方は口伝えでしか伝わってないよ」
「じゃあ、最初にその解き方を教えられたのは誰です?」
「魔導師だよ。でも、里の人間じゃない」
…里の人間じゃない、だと?
俺は、思わず耳を疑った。
シルナでさえ知らない、封印の解き方を…知っている者がいたのだ。
そいつが封印を解いた。だから、賢者の石がこの世に現れた。
誰なのかは知らないが…余計なことをしてくれたものだ。
「そもそも…封印は、いつ施されたんですか?賢者の石が完成するまでは、封印なんてしてなかったんですよね?」
天音が、そう尋ねた。
「そう。賢者の石を含め…里で研究されていた魔法道具は全て、あのときに…厳重に封印された」
「あのとき、って…」
シルナは僅かに目を伏せて、そして言った。
「…私が神殺しの魔法を使って…イーニシュフェルトの里が崩壊したとき、だよ」
…。
…そう、か。
そうだよな。
研究する者が、皆いなくなってしまったのだから。
悪いことを聞いてしまった。
「里がなくなるに当たって、研究していた魔法道具は、全て長老達が封印した。賢者の石もそうだ」
「…その封印の在処を、お前は知らされてなかったってことか。シルナ…」
「そうだね。場所は知らない…。知っていたところで、解除法は知らないから、場所だけ知っていても仕方ないけどね」
金庫の場所が分かっても、ダイヤルナンバーが分からないのだから意味がない。
…それで、問題なのは。
「学院長先生でさえ知らない封印の解き方を、何故、『サンクチュアリ』が知っていたんでしょう…?」
シュニィが、俺の疑問を代わりに口にしてくれた。
そこだな。気になるのは。
そもそも。
「あなたが知らないなら、封印の解き方を知っていたのは誰です?何か、書物にでも記しているんですか」
と、イレースが尋ねた。
イーニシュフェルトの里唯一の生き残りであるシルナが、封印の解き方を知らないのに。
『サンクチュアリ』は封印を解き、賢者の石を世に出した。
つまり、封印の解き方を知っている者が、何処かにいるのだ。
そいつは誰だ?どうやって、封印の解き方を知った?
「いや、書物には書かれていない。封印の解き方は口伝えでしか伝わってないよ」
「じゃあ、最初にその解き方を教えられたのは誰です?」
「魔導師だよ。でも、里の人間じゃない」
…里の人間じゃない、だと?
俺は、思わず耳を疑った。


