意気込んで、エヴェリナの家に来たは良いものの。
ろくに話も出来ず、門前払い。
あんなに激昂されては、再びインターホンを鳴らす勇気もない。
と言うか、これ以上踏み入ろうとすれば、警察呼ばれかねない勢いだった。
こうなったら俺達は、すごすごと引き下がる他ない。
「…仕方ない、シルナ。日を改めて…」
と、俺が言いかけたとき。
シルナは、俺の方を向いてはいなかった。
シルナは上を…オーネラント家の二階を見上げていた。
釣られて、俺も上を見ると。
二階の窓から、カーテンを少しだけ開けて。
後ろめたそうな、申し訳無さそうな…そして泣きそうな顔をした少女が、こちらを覗いていた。
あれは…エヴェリナ本人?
俺が彼女の姿を見れたのは、ごく一瞬のことだった。
俺と目が合うなり、彼女はハッとして、カーテンを閉めた。
ほんの一瞬だったけど、でも、確かに見えた。
彼女は…。
「…学院に戻りたくないのは、エヴェリナちゃん本人の意志じゃないんだ」
シルナは、ポツリと呟いた。
…そうだな。
本当に学院に戻りたくないなら、あんな顔、するはずがない。
「だとしたら…私は諦めないよ、羽久」
「あぁ…。そうだと思ってた」
こういうときの、シルナの諦めの悪さは。
俺が、一番良く知ってるからな。
ろくに話も出来ず、門前払い。
あんなに激昂されては、再びインターホンを鳴らす勇気もない。
と言うか、これ以上踏み入ろうとすれば、警察呼ばれかねない勢いだった。
こうなったら俺達は、すごすごと引き下がる他ない。
「…仕方ない、シルナ。日を改めて…」
と、俺が言いかけたとき。
シルナは、俺の方を向いてはいなかった。
シルナは上を…オーネラント家の二階を見上げていた。
釣られて、俺も上を見ると。
二階の窓から、カーテンを少しだけ開けて。
後ろめたそうな、申し訳無さそうな…そして泣きそうな顔をした少女が、こちらを覗いていた。
あれは…エヴェリナ本人?
俺が彼女の姿を見れたのは、ごく一瞬のことだった。
俺と目が合うなり、彼女はハッとして、カーテンを閉めた。
ほんの一瞬だったけど、でも、確かに見えた。
彼女は…。
「…学院に戻りたくないのは、エヴェリナちゃん本人の意志じゃないんだ」
シルナは、ポツリと呟いた。
…そうだな。
本当に学院に戻りたくないなら、あんな顔、するはずがない。
「だとしたら…私は諦めないよ、羽久」
「あぁ…。そうだと思ってた」
こういうときの、シルナの諦めの悪さは。
俺が、一番良く知ってるからな。


