「ちなみに、ですが…ジュリスさん」
シュニィが、ジュリスに向かって尋ねた。
「何だ?」
「ジュリスさんは、ご存知ではなかったんですよね?賢者の石について…」
「あぁ。少なくとも、俺は聞いたことがない」
…成程。
まぁ、だからこそ…最初にジュリスも、シルナに話を聞きに来たんだろうからな。
同じ時代を生きてはいたが、ジュリスは賢者の石について知らない…。
「…それもそうだろうね。賢者の石は、イーニシュフェルトの里でも、かなり厳重に秘密が守られていたし…。里の中でも知らない人は大勢いたよ」
かなり内密に作られ、内密に保管されていたものらしいな。
まぁ、魔法を封じる道具なんて、魔導師にとっては致命的だもんな。
いかにイーニシュフェルトの里と言えど、賢者の石を悪用しようとする者が現れたら。
きっと、今回のように大きな騒ぎになったはずだ。
取り扱いが慎重になるのも、無理はない。
なら作るなよ、って話だが…。そうも行かなかったんだろう。イーニシュフェルトの里の、頭の堅い長老達にとっては。
「だから、ジュリス君が知らないのも無理はない。イーニシュフェルトの里の中では、賢者の石の他にも、様々な魔法道具を作っていたんだ。賢者の石は、そのうちの一つでしかないんだ」
マジかよ。
「じゃあ、賢者の石の他にも、色んな危険な道具が眠ってるってことか?」
「そうだね。だけど…それぞれの魔法道具は、厳重に封印してある。そして、賢者の石は別格だったよ」
別格?
「シルナ、別格って…?」
「言葉の通りだよ。賢者の石だけは、他の魔法道具の比じゃないくらい、厳重に保管されてた」
…そうなのか。
「だからこそ、今日に至るまで誰も、賢者の石には辿り着けなかった」
「でも学院長先生は、いつか賢者の石の封印が解かれることを見据えて、流言を流していたんですよね?」
「そうだね」
あぁ…。
賢者の石を、魔封じの石だと言い換え。
完全に魔法を封じることが出来る力を持つ、という噂を流した。
その噂を嗅ぎ付けて、万が一賢者の石の封印を解いて、悪事を働こうとした者の裏をかく為に。
今回は、見事にそれがぶっ刺さり。
俺達魔導師を閉じ込める為の異次元世界を、あっさり壊された。
『サンクチュアリ』の目論見は崩れ、見事にシルナの手のひらの上で踊らされた訳だ。
ざまぁない連中だ。
シュニィが、ジュリスに向かって尋ねた。
「何だ?」
「ジュリスさんは、ご存知ではなかったんですよね?賢者の石について…」
「あぁ。少なくとも、俺は聞いたことがない」
…成程。
まぁ、だからこそ…最初にジュリスも、シルナに話を聞きに来たんだろうからな。
同じ時代を生きてはいたが、ジュリスは賢者の石について知らない…。
「…それもそうだろうね。賢者の石は、イーニシュフェルトの里でも、かなり厳重に秘密が守られていたし…。里の中でも知らない人は大勢いたよ」
かなり内密に作られ、内密に保管されていたものらしいな。
まぁ、魔法を封じる道具なんて、魔導師にとっては致命的だもんな。
いかにイーニシュフェルトの里と言えど、賢者の石を悪用しようとする者が現れたら。
きっと、今回のように大きな騒ぎになったはずだ。
取り扱いが慎重になるのも、無理はない。
なら作るなよ、って話だが…。そうも行かなかったんだろう。イーニシュフェルトの里の、頭の堅い長老達にとっては。
「だから、ジュリス君が知らないのも無理はない。イーニシュフェルトの里の中では、賢者の石の他にも、様々な魔法道具を作っていたんだ。賢者の石は、そのうちの一つでしかないんだ」
マジかよ。
「じゃあ、賢者の石の他にも、色んな危険な道具が眠ってるってことか?」
「そうだね。だけど…それぞれの魔法道具は、厳重に封印してある。そして、賢者の石は別格だったよ」
別格?
「シルナ、別格って…?」
「言葉の通りだよ。賢者の石だけは、他の魔法道具の比じゃないくらい、厳重に保管されてた」
…そうなのか。
「だからこそ、今日に至るまで誰も、賢者の石には辿り着けなかった」
「でも学院長先生は、いつか賢者の石の封印が解かれることを見据えて、流言を流していたんですよね?」
「そうだね」
あぁ…。
賢者の石を、魔封じの石だと言い換え。
完全に魔法を封じることが出来る力を持つ、という噂を流した。
その噂を嗅ぎ付けて、万が一賢者の石の封印を解いて、悪事を働こうとした者の裏をかく為に。
今回は、見事にそれがぶっ刺さり。
俺達魔導師を閉じ込める為の異次元世界を、あっさり壊された。
『サンクチュアリ』の目論見は崩れ、見事にシルナの手のひらの上で踊らされた訳だ。
ざまぁない連中だ。


