さて、気を取り直して。
不本意だが、令月とすぐりの二人を合わせて、これで会議のメンバーが揃ったので。
「さて、じゃあ始めるとするか」
俺達が導かれた、異次元世界。
その世界を作り出した賢者の石。
そうまでして俺達を陥れようとした『サンクチュアリ』。
そして、俺とシルナが戻ってきたとき、賢者の石を横から掠め盗り。
会議室に置いてあった賢者の石まで持っていった、謎の男の正体。
問題は山積みだ。
まずは、一つずつ片付けていかなくては。
「シュニィちゃん…。賢者の石は、持ってきてるよね?」
「はい。吐月さん達が帰還すると同時に、傍に落ちていました…。彼らがいた異次元世界を作っていた、賢者の石の欠片が」
シュニィは、四つの石の欠片をテーブルに置いた。
…これで、シルナが持ち帰った分、ナジュが持ち帰った分、元暗殺者生徒が持ち帰った分を合わせて…計八つの欠片が集まったことになる。
…八つか…。
「シルナが言うには、賢者の石は、恐らく十個ほどの欠片に砕かれてるんだよな?」
「うん。もとの石の大きさを考えると…」
つまり、この場に足りない賢者の石の欠片は残り二つ。
そして、その残り二つの在処は分かっている。
一つは、俺がいた異次元世界を作っていた賢者の石。
あとは、元々あの会議室に置いてあって、この世界と異次元世界を繋ぐ役割を果たしていた、赤い水晶玉と呼ばれていた欠片。
あの二つを合わせて、丁度十個になる。
両方共、あの謎の男が持っていってしまったのだが。
「どうして『サンクチュアリ』が賢者の石を持っていたのか、という疑問は差し置いて…まずは、賢者の石の欠片を全て集めることが先決ですね」
と、シュニィが言った。
…そうだな。
このまま、あの謎の男の手に渡ったままだと。
またしても、あの石の欠片を触媒に、異次元世界を作られかねない。
「…で、何者なんだ?その謎の男って言うのは」
有無を言わさず、単刀直入に。
ジュリスが俺とシルナに尋ねた。
…あの男とまともに相対したのは、俺とシルナだけだからな。
「そうですね。これまでは、ひとまず異次元世界から全員が帰ってくることを優先していましたが…」
「彼らの無事が確認された今、二次災害を防ぐ為にも…二人が会ったという、その男の人の素性を探った方が良いと思う」
イレースと、天音が言った。
俺も同感だ。
しかし。
「素性と言ってもね…これが…」
「その謎の男とやらの正体より、まずは、賢者の石の封印について話した方が話が早くないですか?」
シルナの言葉を遮るように、ナジュが言った。
…こいつ。
さてはまた、シルナの心を読んで、一人だけ抜け駆け先読みしやがったな?
「ご明察です、羽久さん」
「あのな、ナジュ…。物事には、順序ってものがあるんだよ」
お前は、何でもカンニングして先読み出来るのかもしれないけどな。
「まぁ落ち着いてくださいよ。賢者の石の封印は、その謎の男にも繋がる話ですから」
「…本当かよ…」
「それに、皆さん気になってるでしょう?何で、いきなりこの世界に賢者の石なんていう、太古の昔の遺産が現れたのか」
…それは…。
「その辺の事情、知ってるのは学院長だけですから。でしょう?」
ナジュが、シルナに同意を求めると。
「…正解だよ。ナジュ君…。君には敵わないよ、本当に」
「でしょうね」
全く、読心魔法様々だな。
不本意だが、令月とすぐりの二人を合わせて、これで会議のメンバーが揃ったので。
「さて、じゃあ始めるとするか」
俺達が導かれた、異次元世界。
その世界を作り出した賢者の石。
そうまでして俺達を陥れようとした『サンクチュアリ』。
そして、俺とシルナが戻ってきたとき、賢者の石を横から掠め盗り。
会議室に置いてあった賢者の石まで持っていった、謎の男の正体。
問題は山積みだ。
まずは、一つずつ片付けていかなくては。
「シュニィちゃん…。賢者の石は、持ってきてるよね?」
「はい。吐月さん達が帰還すると同時に、傍に落ちていました…。彼らがいた異次元世界を作っていた、賢者の石の欠片が」
シュニィは、四つの石の欠片をテーブルに置いた。
…これで、シルナが持ち帰った分、ナジュが持ち帰った分、元暗殺者生徒が持ち帰った分を合わせて…計八つの欠片が集まったことになる。
…八つか…。
「シルナが言うには、賢者の石は、恐らく十個ほどの欠片に砕かれてるんだよな?」
「うん。もとの石の大きさを考えると…」
つまり、この場に足りない賢者の石の欠片は残り二つ。
そして、その残り二つの在処は分かっている。
一つは、俺がいた異次元世界を作っていた賢者の石。
あとは、元々あの会議室に置いてあって、この世界と異次元世界を繋ぐ役割を果たしていた、赤い水晶玉と呼ばれていた欠片。
あの二つを合わせて、丁度十個になる。
両方共、あの謎の男が持っていってしまったのだが。
「どうして『サンクチュアリ』が賢者の石を持っていたのか、という疑問は差し置いて…まずは、賢者の石の欠片を全て集めることが先決ですね」
と、シュニィが言った。
…そうだな。
このまま、あの謎の男の手に渡ったままだと。
またしても、あの石の欠片を触媒に、異次元世界を作られかねない。
「…で、何者なんだ?その謎の男って言うのは」
有無を言わさず、単刀直入に。
ジュリスが俺とシルナに尋ねた。
…あの男とまともに相対したのは、俺とシルナだけだからな。
「そうですね。これまでは、ひとまず異次元世界から全員が帰ってくることを優先していましたが…」
「彼らの無事が確認された今、二次災害を防ぐ為にも…二人が会ったという、その男の人の素性を探った方が良いと思う」
イレースと、天音が言った。
俺も同感だ。
しかし。
「素性と言ってもね…これが…」
「その謎の男とやらの正体より、まずは、賢者の石の封印について話した方が話が早くないですか?」
シルナの言葉を遮るように、ナジュが言った。
…こいつ。
さてはまた、シルナの心を読んで、一人だけ抜け駆け先読みしやがったな?
「ご明察です、羽久さん」
「あのな、ナジュ…。物事には、順序ってものがあるんだよ」
お前は、何でもカンニングして先読み出来るのかもしれないけどな。
「まぁ落ち着いてくださいよ。賢者の石の封印は、その謎の男にも繋がる話ですから」
「…本当かよ…」
「それに、皆さん気になってるでしょう?何で、いきなりこの世界に賢者の石なんていう、太古の昔の遺産が現れたのか」
…それは…。
「その辺の事情、知ってるのは学院長だけですから。でしょう?」
ナジュが、シルナに同意を求めると。
「…正解だよ。ナジュ君…。君には敵わないよ、本当に」
「でしょうね」
全く、読心魔法様々だな。


