…また天井裏にいるのかと思ったら。
まさかの、床下だった。
学院長室の床下って、身を隠すようなスペースはないはずなんだが?
何処に、どうやって潜んでたんだ?お前は。
で、やっぱり案の定、いたな。
ワンチャンいないかも、と期待してなくもなかったのだが…案の定いやがった。
「令月。すぐりは何処だ?」
と、俺が聞くと。
「…ぴゃうっ!?」
シルナの膝の辺りに、しゅるしゅるしゅる、と透明な糸が絡みついた。
そして、その糸を手繰るようにして、もう一人黒装束の男が床下から生えた。
誰あろう、同じく元暗殺者の花曇すぐりである。
どうやら、二人仲良く床下に潜んでいたらしい。
…この野郎共…。
「ここにいるよー」
いるよーじゃねぇよ。
いるなよ。
二人して、シルナを支柱代わりに使うんじゃない。
見てみろ、シルナがビビり散らして、氷の石像みたいになってるじゃないか。
「僕達も参加して良いの?」
再度首を傾げる令月に、俺は思わず、
「…駄目だ、って言ったら?」
と言ってしまった。
すると。
「じゃあ、やっぱり床下で聞いてるよ」
待て。床下に帰ろうとするな。
居場所が割れてるのに、そこに戻って良いのかよ。
「嘘だよ。良いから出てこい」
「いーの?俺達が聞いてても」
許可しなくても、お前ら盗み聞きする気満々だったじゃん。
どうせ聞くんなら、窮屈な床下じゃなくて、この部屋で堂々と聞けよ。
「あぁ。良いから出てこい。いちいち何処かに潜むんじゃない」
「だって、大人達がズルくてさー。いっつも俺達が聞いてないところで、こそこそ会話するもんだから」
俺たちが話してるときに、こそこそ盗み聞きしてる奴が言うんじゃねぇ。
それから。
「あ、あの。学院長先生…。大丈夫ですか?」
「…」
シュニィが、心配して声をかけるも。
シルナは、突然床下から生えてきた腕に足を掴まれ、びっくりしたまま固まっていた。
「…別にこのパンダがいようといまいと構いませんが、今回はこのパンダがいないと、会議が始まりませんからね」
イレースが、辛辣な言葉を吐き。
「…雷魔法で電気ショックを与えれば、正気に戻るでしょう」
キラリと鋭く光る眼光で、杖を手に取ると。
シルナは、自分の身に迫る命の危機を察知したらしく。
「はっ!?私は何処?ここは誰!?」
あ、生き返った。
変なこと言ってはいるが、一応意識を取り戻したな。
「…ちっ」
電気ショックを与え損ねたイレースは、何故かちょっと残念そうだった。
多分、あわよくばこの機に、日頃の鬱憤を晴らそうとしたのだろう。
危なかったな、シルナ。
電気ショックどころか、昇天しかねないところだったぞ。
まさかの、床下だった。
学院長室の床下って、身を隠すようなスペースはないはずなんだが?
何処に、どうやって潜んでたんだ?お前は。
で、やっぱり案の定、いたな。
ワンチャンいないかも、と期待してなくもなかったのだが…案の定いやがった。
「令月。すぐりは何処だ?」
と、俺が聞くと。
「…ぴゃうっ!?」
シルナの膝の辺りに、しゅるしゅるしゅる、と透明な糸が絡みついた。
そして、その糸を手繰るようにして、もう一人黒装束の男が床下から生えた。
誰あろう、同じく元暗殺者の花曇すぐりである。
どうやら、二人仲良く床下に潜んでいたらしい。
…この野郎共…。
「ここにいるよー」
いるよーじゃねぇよ。
いるなよ。
二人して、シルナを支柱代わりに使うんじゃない。
見てみろ、シルナがビビり散らして、氷の石像みたいになってるじゃないか。
「僕達も参加して良いの?」
再度首を傾げる令月に、俺は思わず、
「…駄目だ、って言ったら?」
と言ってしまった。
すると。
「じゃあ、やっぱり床下で聞いてるよ」
待て。床下に帰ろうとするな。
居場所が割れてるのに、そこに戻って良いのかよ。
「嘘だよ。良いから出てこい」
「いーの?俺達が聞いてても」
許可しなくても、お前ら盗み聞きする気満々だったじゃん。
どうせ聞くんなら、窮屈な床下じゃなくて、この部屋で堂々と聞けよ。
「あぁ。良いから出てこい。いちいち何処かに潜むんじゃない」
「だって、大人達がズルくてさー。いっつも俺達が聞いてないところで、こそこそ会話するもんだから」
俺たちが話してるときに、こそこそ盗み聞きしてる奴が言うんじゃねぇ。
それから。
「あ、あの。学院長先生…。大丈夫ですか?」
「…」
シュニィが、心配して声をかけるも。
シルナは、突然床下から生えてきた腕に足を掴まれ、びっくりしたまま固まっていた。
「…別にこのパンダがいようといまいと構いませんが、今回はこのパンダがいないと、会議が始まりませんからね」
イレースが、辛辣な言葉を吐き。
「…雷魔法で電気ショックを与えれば、正気に戻るでしょう」
キラリと鋭く光る眼光で、杖を手に取ると。
シルナは、自分の身に迫る命の危機を察知したらしく。
「はっ!?私は何処?ここは誰!?」
あ、生き返った。
変なこと言ってはいるが、一応意識を取り戻したな。
「…ちっ」
電気ショックを与え損ねたイレースは、何故かちょっと残念そうだった。
多分、あわよくばこの機に、日頃の鬱憤を晴らそうとしたのだろう。
危なかったな、シルナ。
電気ショックどころか、昇天しかねないところだったぞ。


