神殺しのクロノスタシスⅣ

「大丈夫ですか?」

「おぉ…。なんか、急激に生き返ってきた感がする…」

「どうやら黄泉の国ではなかったようですね…」

縁起の悪いことを言わないでください。

お二人共無事ですよ。

そう、無事…。

何の奇跡か、四人共無事に…そして同時に、戻ってきてくれたのだ。

私は思わず、感極まって涙を滲ませた。

「皆さん…良かった。良かったです…無事に戻ってきてくれて…本当に…」

「あたぼうよ!俺様がいる限り、吐月は無敵だからな!」

「あはは…。本当、感謝してるよ…。ご心配おかけしました」

ベルフェゴールさんと吐月さんが。

「やれやれ、一時はどうなることかと思ったが…まぁ、ルイーシュと再会出来たから良いや」

「俺も、キュレムさんのいるところに戻ってこられたので…あとはどうでも良いですね」

キュレムさんとルイーシュさんが。

「伊達に私を守りながら、ずっと旅してきた訳じゃないもんね〜」

「あぁ、その通りだ…。この程度の逆境、何ということはない」

月読さんと無闇さんが、それぞれそう言った。

皆さんったら…。私、こんなに心配していたのに…。

心配してた私が、馬鹿らしく思えてきますね。

ただ信じて待っていれば良かったということですね。学院長先生の仰った通りです。

「つーかルイーシュ…。俺達人妻泣かせてんぞ…」

「あ、本当だ…。良かったですねアトラスさんいなくて…。八つ裂きにされるところでしたよ…」

そんな冗談は結構ですから。

「これで…ようやく、行方不明になった方は、全員戻ってきましたね」

後から魔法陣に足を踏み入れた、学院長先生方を含め。

最初に消えた四人も、こうして戻ってきた。

事情はともかく、経緯もともかくとして。

皆さんが無事に戻ってこられて、本当に…本当に、良かったです。