「馬鹿!汚ぇ!」
羽久さんは毒づいていましたし。
「…」
イレースさんは、汚れたテーブルを見て眉間に皺を寄せていましたが。
今は、それどころではありません。
学院長先生は。学院長先生は無事ですか。
「学院長先生!大丈夫ですか!?」
「ふにゃは©ρ⊄∶〈"↻ー〈¿≪ρ」
最早、人語を喋っていません。
み、水に噎せたんでしょうか?それにしては…。
「あはは。作戦その2まで、完璧に決まったね」
「うん、さすが『八千歳』の糸魔法。すり替える瞬間が全然見えなかったよ」
「でしょー?」
と、楽しそうな元暗殺者生徒。
…ま、まさか…。
「ふ、二人共、一体何をしたの!?」
慌てふためいて尋ねる天音さんに、
「ワサビチョコレートを食べたら、絶対水を欲しがると思ったから…その隙に、水のコップをレモン汁のコップにすり替えた」
…悪魔。
…この子達は悪魔です。
「僕が丹精込めて、レモン汁を搾ったんだよ」
「それを俺がすり替えた。凄い連携プレーでしょ?」
しかも、それを自慢気に披露。
とてもではないですが、手に負えません。
更に酷いことに。
「ちなみに、この一連の悪戯、シナリオを考えたのは僕です」
何事もなかったように、さらりと。
自分は、何も仕込まれていない普通のチョコレートを摘みながら。
足を組んで優雅に微笑むナジュさん。
…諸悪の根源…ということですか。
成程、日頃の行いって、やっぱり大事なんですね。
「やっぱり学院長に勝つには、裏をかくことが大事ですからね。二人共、これを成功させたことは大きな一歩ですよ」
「うん、打倒学院長の日も近いね」
「卒業までには、確実にやれるね〜」
この三人は、一体何の話をしてるんでしょう?
そ、それより。
「しっかりしてください、学院長先生…!」
「あばばばばばば」
駄目です。人語を喋ってない。
病院に…病院に連れて行った方が良いのでは…?
普段は甘いものしか口にしない学院長先生の舌が、いきなりワサビとレモンのダブルパンチを受けて。
もう、味覚が行方不明。
「…イレース。こいつら、三人まとめて拷問した方が良いんじゃないか?」
「奇遇ですね。私も今、同じことを考えていたところです」
羽久さんとイレースさんの、真剣な会話をよそに。
「ぴえ〜ん!!」
学院長先生の、悲しげな悲鳴が室内に響いていた。
羽久さんは毒づいていましたし。
「…」
イレースさんは、汚れたテーブルを見て眉間に皺を寄せていましたが。
今は、それどころではありません。
学院長先生は。学院長先生は無事ですか。
「学院長先生!大丈夫ですか!?」
「ふにゃは©ρ⊄∶〈"↻ー〈¿≪ρ」
最早、人語を喋っていません。
み、水に噎せたんでしょうか?それにしては…。
「あはは。作戦その2まで、完璧に決まったね」
「うん、さすが『八千歳』の糸魔法。すり替える瞬間が全然見えなかったよ」
「でしょー?」
と、楽しそうな元暗殺者生徒。
…ま、まさか…。
「ふ、二人共、一体何をしたの!?」
慌てふためいて尋ねる天音さんに、
「ワサビチョコレートを食べたら、絶対水を欲しがると思ったから…その隙に、水のコップをレモン汁のコップにすり替えた」
…悪魔。
…この子達は悪魔です。
「僕が丹精込めて、レモン汁を搾ったんだよ」
「それを俺がすり替えた。凄い連携プレーでしょ?」
しかも、それを自慢気に披露。
とてもではないですが、手に負えません。
更に酷いことに。
「ちなみに、この一連の悪戯、シナリオを考えたのは僕です」
何事もなかったように、さらりと。
自分は、何も仕込まれていない普通のチョコレートを摘みながら。
足を組んで優雅に微笑むナジュさん。
…諸悪の根源…ということですか。
成程、日頃の行いって、やっぱり大事なんですね。
「やっぱり学院長に勝つには、裏をかくことが大事ですからね。二人共、これを成功させたことは大きな一歩ですよ」
「うん、打倒学院長の日も近いね」
「卒業までには、確実にやれるね〜」
この三人は、一体何の話をしてるんでしょう?
そ、それより。
「しっかりしてください、学院長先生…!」
「あばばばばばば」
駄目です。人語を喋ってない。
病院に…病院に連れて行った方が良いのでは…?
普段は甘いものしか口にしない学院長先生の舌が、いきなりワサビとレモンのダブルパンチを受けて。
もう、味覚が行方不明。
「…イレース。こいつら、三人まとめて拷問した方が良いんじゃないか?」
「奇遇ですね。私も今、同じことを考えていたところです」
羽久さんとイレースさんの、真剣な会話をよそに。
「ぴえ〜ん!!」
学院長先生の、悲しげな悲鳴が室内に響いていた。


