「イレースちゃん!私ココアね!ココア!砂糖いっぱい入れた奴!」
「あなたは水でも飲んでなさい」
「酷い!」
え、えーと…。
やがて十分後、イレースさんが人数分のお茶を持ってきてくれました。
…が。
「どうぞ、シュニィさん」
「ありがとうございます」
私の前には、ほかほかと湯気を立てる紅茶のティーカップ。
そして。
「あなたはこれです」
「えぇぇーっ!本当に水!?」
学院長先生の前には、本当に水道水を入れただけのコップ。
…イレースさん…。
更に、学院長先生だけではなく。
「あなた達も水です」
元暗殺者生徒二人にも、ただのお水だけ。
「反省中ですからね」
冷ややかな目のイレースさん。
容赦のない方だとは聞いていましたが、これほどとは…。
しかし、当の生徒二人は。
「水だって。綺麗な水だよ、良かった」
「うん。ミミズもボウフラも浮いてない。高級な水だね〜」
水に感動して、有り難く飲んでいる。
確かお二人は、ジャマ王国出身なんでしたよね。
ルーデュニア聖王国の上下水道は、非常に手厚く整備されていますが。
ジャマ王国の基準からしたら、ただの水道水でも高級な水に見えるのでしょう。
気持ちは分かります。
蛇口を捻って出てきた水が、そのまま飲料水として使える国は珍しいですからね。
…すると。
「…で、何で僕も水なんですか?僕は、特に悪いことしてないですよね」
ナジュさんが、自分の前に置かれたコップを指差して言った。
本当だ。何でナジュさんまでお水…。
イレースさんは、ナジュさんの当然の問いに、これまた冷ややかに答えた。
「日頃の行いです」
…あっ…。
「酷いですよねー。こんなに善行ばかり積んでる教師は、ルーデュニア聖王国広しと言えどもそうはいませんよ。ねぇ?」
「えっ?あ、はい…。そ、そうですね…?」
そ、そうなんですか?
結局、私と同じく紅茶を出してもらったのは、羽久さんと天音さんと、紅茶を淹れた本人であるイレースさんだけ。
残りの人は、皆お水。
酷い格差です。
何だか申し訳なくなってきたので、私もお水の方が良かったでしょうか…。
「よし!気を取り直して、皆でチョコを食べよう!はいっ」
学院長先生が、チョコレートの詰め合わせをテーブルの中央に置いた。
あ、ありがとうございます。
でも私、よく考えたらお茶を頂きに来たんじゃなくて…。
「この中央の、一番美味しそうなチョコは私のだからね!一番美味しそうだし!いただきまーす!」
学院長先生はそんな私には全く構わず、箱の中央にある、大振りで洒落た形をしたチョコレートを摘んだ。
「卑しい学院長ですね」
イレースさんは、またしても毒づいていたけれど。
目の前のチョコレートに夢中の学院長先生は、そんなことにも気づかな、
「むむっ!?…むぼわはぁっ!」
「ちょ、何だお前汚ぇ!」
!?
「あなたは水でも飲んでなさい」
「酷い!」
え、えーと…。
やがて十分後、イレースさんが人数分のお茶を持ってきてくれました。
…が。
「どうぞ、シュニィさん」
「ありがとうございます」
私の前には、ほかほかと湯気を立てる紅茶のティーカップ。
そして。
「あなたはこれです」
「えぇぇーっ!本当に水!?」
学院長先生の前には、本当に水道水を入れただけのコップ。
…イレースさん…。
更に、学院長先生だけではなく。
「あなた達も水です」
元暗殺者生徒二人にも、ただのお水だけ。
「反省中ですからね」
冷ややかな目のイレースさん。
容赦のない方だとは聞いていましたが、これほどとは…。
しかし、当の生徒二人は。
「水だって。綺麗な水だよ、良かった」
「うん。ミミズもボウフラも浮いてない。高級な水だね〜」
水に感動して、有り難く飲んでいる。
確かお二人は、ジャマ王国出身なんでしたよね。
ルーデュニア聖王国の上下水道は、非常に手厚く整備されていますが。
ジャマ王国の基準からしたら、ただの水道水でも高級な水に見えるのでしょう。
気持ちは分かります。
蛇口を捻って出てきた水が、そのまま飲料水として使える国は珍しいですからね。
…すると。
「…で、何で僕も水なんですか?僕は、特に悪いことしてないですよね」
ナジュさんが、自分の前に置かれたコップを指差して言った。
本当だ。何でナジュさんまでお水…。
イレースさんは、ナジュさんの当然の問いに、これまた冷ややかに答えた。
「日頃の行いです」
…あっ…。
「酷いですよねー。こんなに善行ばかり積んでる教師は、ルーデュニア聖王国広しと言えどもそうはいませんよ。ねぇ?」
「えっ?あ、はい…。そ、そうですね…?」
そ、そうなんですか?
結局、私と同じく紅茶を出してもらったのは、羽久さんと天音さんと、紅茶を淹れた本人であるイレースさんだけ。
残りの人は、皆お水。
酷い格差です。
何だか申し訳なくなってきたので、私もお水の方が良かったでしょうか…。
「よし!気を取り直して、皆でチョコを食べよう!はいっ」
学院長先生が、チョコレートの詰め合わせをテーブルの中央に置いた。
あ、ありがとうございます。
でも私、よく考えたらお茶を頂きに来たんじゃなくて…。
「この中央の、一番美味しそうなチョコは私のだからね!一番美味しそうだし!いただきまーす!」
学院長先生はそんな私には全く構わず、箱の中央にある、大振りで洒落た形をしたチョコレートを摘んだ。
「卑しい学院長ですね」
イレースさんは、またしても毒づいていたけれど。
目の前のチョコレートに夢中の学院長先生は、そんなことにも気づかな、
「むむっ!?…むぼわはぁっ!」
「ちょ、何だお前汚ぇ!」
!?


