神殺しのクロノスタシスⅣ

…床のロープが片付けられ、ようやく拷問が終わったところで。

…えぇと。

…私、喋っても大丈夫でしょうか?

すると。

「はー、良かった。一時はどうなることかと…。さて、落ち着いたから、チョコレート食べ、へ!?」

食べへ?

学院長先生が目をぱちくりとさせて、こちらを見ていた。

「しゅ…シュニィ…ちゃん?」

あっ、ようやくお気づきになられたんですね。

「学院長先生…。ご無沙汰しております…」

「え!?シュニィちゃんなの!?いつの間に!?」

結構前からいたんですけど…。

やっぱり、全然気づいてもらえてなかったんですね。

何だか切ないです。

「僕は気づいてましたよ」

と、ナジュさん。

ありがとうございます。

「…ん?なんだ来客ですか…。来たのなら、来たと言ってください」

イレースさんが、ロープを片付けながら言った。

言おうと思ったんですが…何だか、それどころじゃない雰囲気だったもので…。

「悪いな、イレース…。この馬鹿二人が戻ってきて、ようやく魔力もある程度回復したから、改めて説教してるところだったんだ」

羽久さんがそう説明してくれた。

説教と言うか、拷問でしたよね。

「まぁ座ってください。飲み物でも淹れましょう」

「あ、ありがとうございます…」

イレースさんに勧められ、私はようやく腰を落ち着けることが出来た。

何だか、とても長かった気がします。