「『八千歳』、そろそろ良いかな」
「うん。俺も飽きてきたしな〜」
…え?
さっきまで宙吊りになっていた二人が、しゅたっ、と床に着地。
ぐるぐる巻きにされていたはずのロープは、はらはらと解けて落ちた。
これには、私も目が点。
さっきまで…ロープで簀巻きにされていたのに。一体どうやって…?
「…お前ら。何勝手に脱出してんだ」
「だって、同じ拷問ばっかりで飽きちゃったから…」
まさか、飽きたという理由で拷問から抜け出すとは。
と言うか、抜け出そうと思えばいつでも出来たんですね?
しかもその言い方だと、拷問にレパートリーがあれば進んで受ける気だったんですか。
「実はこの二人、『次は鈎吊りかな』とか、『釘刺されるのかな』とか、内心ちょっとわくわくしながら待ってましたからね」
ナジュさんが、二人の心の中を読んで補足してくれた。
そ、そんな。拷問というものは、エンターテイメント性のあるイベントではありません。
「予想以上にヌルいからさー、もう飽きたよ」
「ワンパターンだとつまらないよね」
…。
さすがと言うべきなのか、悲しむべきか。
これが、元『アメノミコト』の暗殺者なんですね。
「拷問云々は置いといて…お前ら、いい加減脱走癖をやめろ。盗み聞きもやめろ。勝手に異次元世界に行くのもやめろ!」
羽久さんが、珍しく本気で怒っていた。
それは…まぁ、怒りますよね。普通。
「だって、ねぇ『八千歳』」
「うん。だよねー『八千代』」
「勝手に二人で通じ合って、勝手に納得すんな」
こちらには、全く伝わってきませんよね。
このお二人の常識は、私達のものとはかけ離れているようですから。
「そーいう汚れ仕事は、俺達のジョブじゃん?」
「勝手にジョブにすんな。お前らは子供で、そして生徒だ。責任を負うのは大人であって、お前らじゃない」
…羽久さん、仰る通りです。
「でも僕達は元暗殺者として、裏の仕事をこっそり速やかにこなして、表の世界の平和を守るのが役目で…」
「だから、それをするのは大人だって言ってるんだ。今回は無事だったから良いようなものを…無事じゃなかったらお前ら、今度こそ覚悟しとけよ」
今回は、宙吊り拷問でしたもんね。
次はどうなるのか…考えてただけで恐ろしいです。
「うん。俺も飽きてきたしな〜」
…え?
さっきまで宙吊りになっていた二人が、しゅたっ、と床に着地。
ぐるぐる巻きにされていたはずのロープは、はらはらと解けて落ちた。
これには、私も目が点。
さっきまで…ロープで簀巻きにされていたのに。一体どうやって…?
「…お前ら。何勝手に脱出してんだ」
「だって、同じ拷問ばっかりで飽きちゃったから…」
まさか、飽きたという理由で拷問から抜け出すとは。
と言うか、抜け出そうと思えばいつでも出来たんですね?
しかもその言い方だと、拷問にレパートリーがあれば進んで受ける気だったんですか。
「実はこの二人、『次は鈎吊りかな』とか、『釘刺されるのかな』とか、内心ちょっとわくわくしながら待ってましたからね」
ナジュさんが、二人の心の中を読んで補足してくれた。
そ、そんな。拷問というものは、エンターテイメント性のあるイベントではありません。
「予想以上にヌルいからさー、もう飽きたよ」
「ワンパターンだとつまらないよね」
…。
さすがと言うべきなのか、悲しむべきか。
これが、元『アメノミコト』の暗殺者なんですね。
「拷問云々は置いといて…お前ら、いい加減脱走癖をやめろ。盗み聞きもやめろ。勝手に異次元世界に行くのもやめろ!」
羽久さんが、珍しく本気で怒っていた。
それは…まぁ、怒りますよね。普通。
「だって、ねぇ『八千歳』」
「うん。だよねー『八千代』」
「勝手に二人で通じ合って、勝手に納得すんな」
こちらには、全く伝わってきませんよね。
このお二人の常識は、私達のものとはかけ離れているようですから。
「そーいう汚れ仕事は、俺達のジョブじゃん?」
「勝手にジョブにすんな。お前らは子供で、そして生徒だ。責任を負うのは大人であって、お前らじゃない」
…羽久さん、仰る通りです。
「でも僕達は元暗殺者として、裏の仕事をこっそり速やかにこなして、表の世界の平和を守るのが役目で…」
「だから、それをするのは大人だって言ってるんだ。今回は無事だったから良いようなものを…無事じゃなかったらお前ら、今度こそ覚悟しとけよ」
今回は、宙吊り拷問でしたもんね。
次はどうなるのか…考えてただけで恐ろしいです。


