神殺しのクロノスタシスⅣ

…次に目が覚めたとき。

そこは、イーニシュフェルト魔導学院の
医務室だった。

僕は、そこに寝かされていた。

「あ、おはよう。起きた?」

「…天音せんせー…」

白衣を着た天音せんせーが、俺の記憶にある通りの笑顔でこちらを見ていた。

…。

「大丈夫?具合は。頭、まだ痛い?」

頭、と言われて初めて。

後頭部が、ズキンと傷んだ。

全く身に覚えはないけど、怪我してる…のか?

誰だ?『八千代』が僕を昏倒させる為に殴ったのか?

でも、『八千代』は毒を使って僕を気絶させたはず。

じゃあ、他に誰が…。

「不運だったね。まさか…園芸部の部長さんが振り上げた鍬がすっぽ抜けて、思いっきり君の頭に直撃するとは」

「…」

「…やっぱり痛い?大丈夫?」

「…へーき…」

…何をやってるのさ、ツキナは…。

君は鍬を持っちゃいけない人なんだって。

まぁいーや。ツキナなら許す。

それよりも。

「…ねぇ、天音せんせー」

「うん?何?」

「…『玉響』は…どうしてる?」

俺は、何気ない振りをして尋ねた。

すると、天音せんせーは。

「『玉響』君は、気絶した君をここまで運んできてくれたよ。さっきまでここにいたんだけど…今は、園芸部の方に帰ってる」

「…そーなんだ…」

…やっぱり。

俺は、この異次元世界から抜け出せていないままなんだね。