俺は、今聞いた言葉が信じられなかった。
『玉響』…って言ったよな?
「『玉響』って…。何で…?」
そこで、彼の話が出てくるんだ?
だってあの人はもう…。
学院長は俺の呟きが聞こえなかったらしく。
改めて、俺と『八千代』に向き直った。
「良い?二人共、『玉響』君を見習って、真面目な良い子になること!もう悪戯しちゃ駄目だからね!」
学院長。
君、何言ってるの?
それは、俺に対する皮肉なのか?
それとも…。
「…学院長」
俺は、静かな声で聞いた。
「何?」
「『玉響』が何だって…?『玉響』は何処にいるの?」
こんな質問をするなんて、馬鹿げているにも程がある。
『玉響』が何処にいるかなんて、そんなの俺が一番良く知っている。
だって、『玉響』を殺したのは…。
返事をしたのは、ぽかんとしている学院長ではなく、羽久せんせーだった。
何事もないみたいな顔して、平然と言った。
「何処って…。園芸部の畑だろ?お前と同じ部活なんだから。今頃、野菜に水でもやってんじゃないの?」
羽久せんせーが、そう言うなり。
「あっ、こらっ!すぐり君!?」
学院長が止めるのも聞かず、俺は窓から飛び降りた。
着地するなり、真っ直ぐに走り出す。
園芸部の畑に向かって。
息を切らして、全速力で。
すると、いつもの園芸部の風景が見えてきた。
茶色い土を盛った畑があって、植物が葉を茂らせていて、そこにツキナがじょうろを持って立っていて…。
でも、そこは俺の知らない風景になっていた。
だって。
「あれ?『八千歳』さん、お帰りなさい」
「…」
そこには、笑顔でこちらを振り向く『玉響』の姿があった。
「…」
俺は、しばらく何も言えなかった。
ただ、呆然と突っ立っていた。
…墓の下から、亡霊が蘇ってきた。
「学院長先生に怒られたんでしょう?ナジュ先生にそそのかされて、悪戯なんかするから」
そう言って、『玉響』は苦笑した。
「でも、案外早くお説教は終わったみたいですね。…あれ、『八千代』さんは?一緒じゃないんですか?」
「…」
「あ、これ見てください、『八千歳』さん。この間植えた大根、もう芽が出てきてるんですよ。収穫するのが楽しみですね」
笑顔で、大根の芽を指差す『玉響』。
「気が早いなー、隊員その3!大根は、植えてから2ヶ月くらいたたないと、収穫出来ないんだぞ」
当たり前のように言って、笑うツキナ。
「そうなんですか?待ち遠しいですね」
「焦るでない!落ち着いて待つと良い!」
「とか言いながらツキナさんも、収穫したらあれ作ろうこれ作ろう、って色々言ってたじゃないですか」
「そうだけど!うーんと…まずは大根ステーキ作って、味噌田楽にしてー」
「あ、大根おろしにして食べましょうよ。確かに『八千歳』さんは、大根おろし好きでしたもんね?」
…『玉響』は、俺を見上げて言った。
…俺が何を好きかなんて、君は知らないはずだよ。
よく分かった。
全て分かったよ。
「…誰のフリして物を言ってんの、お前」
俺は、『玉響』の襟首を掴んだ。
『玉響』…って言ったよな?
「『玉響』って…。何で…?」
そこで、彼の話が出てくるんだ?
だってあの人はもう…。
学院長は俺の呟きが聞こえなかったらしく。
改めて、俺と『八千代』に向き直った。
「良い?二人共、『玉響』君を見習って、真面目な良い子になること!もう悪戯しちゃ駄目だからね!」
学院長。
君、何言ってるの?
それは、俺に対する皮肉なのか?
それとも…。
「…学院長」
俺は、静かな声で聞いた。
「何?」
「『玉響』が何だって…?『玉響』は何処にいるの?」
こんな質問をするなんて、馬鹿げているにも程がある。
『玉響』が何処にいるかなんて、そんなの俺が一番良く知っている。
だって、『玉響』を殺したのは…。
返事をしたのは、ぽかんとしている学院長ではなく、羽久せんせーだった。
何事もないみたいな顔して、平然と言った。
「何処って…。園芸部の畑だろ?お前と同じ部活なんだから。今頃、野菜に水でもやってんじゃないの?」
羽久せんせーが、そう言うなり。
「あっ、こらっ!すぐり君!?」
学院長が止めるのも聞かず、俺は窓から飛び降りた。
着地するなり、真っ直ぐに走り出す。
園芸部の畑に向かって。
息を切らして、全速力で。
すると、いつもの園芸部の風景が見えてきた。
茶色い土を盛った畑があって、植物が葉を茂らせていて、そこにツキナがじょうろを持って立っていて…。
でも、そこは俺の知らない風景になっていた。
だって。
「あれ?『八千歳』さん、お帰りなさい」
「…」
そこには、笑顔でこちらを振り向く『玉響』の姿があった。
「…」
俺は、しばらく何も言えなかった。
ただ、呆然と突っ立っていた。
…墓の下から、亡霊が蘇ってきた。
「学院長先生に怒られたんでしょう?ナジュ先生にそそのかされて、悪戯なんかするから」
そう言って、『玉響』は苦笑した。
「でも、案外早くお説教は終わったみたいですね。…あれ、『八千代』さんは?一緒じゃないんですか?」
「…」
「あ、これ見てください、『八千歳』さん。この間植えた大根、もう芽が出てきてるんですよ。収穫するのが楽しみですね」
笑顔で、大根の芽を指差す『玉響』。
「気が早いなー、隊員その3!大根は、植えてから2ヶ月くらいたたないと、収穫出来ないんだぞ」
当たり前のように言って、笑うツキナ。
「そうなんですか?待ち遠しいですね」
「焦るでない!落ち着いて待つと良い!」
「とか言いながらツキナさんも、収穫したらあれ作ろうこれ作ろう、って色々言ってたじゃないですか」
「そうだけど!うーんと…まずは大根ステーキ作って、味噌田楽にしてー」
「あ、大根おろしにして食べましょうよ。確かに『八千歳』さんは、大根おろし好きでしたもんね?」
…『玉響』は、俺を見上げて言った。
…俺が何を好きかなんて、君は知らないはずだよ。
よく分かった。
全て分かったよ。
「…誰のフリして物を言ってんの、お前」
俺は、『玉響』の襟首を掴んだ。


