神殺しのクロノスタシスⅣ

…学院長の…おやつに…悪戯?

したっけ?

したけど。

それはしたけど、でも…え?

今回は、それじゃなくない?

異次元世界の話って、学院長のおやつより優先度低いの?

「おまけに、あんなきっ、きっ、きっ、気持ち悪いもの仕込むなんて!私はね、凄い悲鳴が出たんだからね!喉が千切れるかと思ったんだから!」

「『うきゃぴぇーっ!!』とか言ってたもんね、学院長…。面白かった」

「令月君!面白がらないの!」

『八千代』も何言ってんの?

異次元世界の話は?もうなかったことになったの?

ってゆーか学院長、凄い悲鳴出したんだね。聞きそびれたよ。是非聞いてみたかった。

「大体あんなの、何処で見つけたの!?」

「不死身先生にもらった」

「ナジュ君〜っ!!主犯はあの子か!」

「あいつ、もうクビにしろよ…」

学院長も『八千代』も羽久せんせーも、勝手に話を進めてるけど。

…俺、何したっけ?

あぁそうだ、学院長のおやつに悪戯したんだっけ?

あれは確か、シャネオン駅爆破の一件の前。

ナジュせんせーに勧められて、チョコレートの中にワサビをたっぷり仕込んだんだった。

今のところバレてなくて、いつ爆弾ワサビチョコにぶつかって、奇怪な悲鳴をあげるか、楽しみに待ってたんだけど…。

今日やっと、それに当たったんだ。

さぞや侘び寂びのある味だったことだろう。ワサビだけに。

その悲鳴を聞きそびれたのは、ちょっと残念だっ、

「あ、あんな…ご、ゴキブリ型のチョコを仕込むなんて!びっくりして、後ろにひっくり返りそうになったんだから!」

…ゴキブリチョコ?

…え?何それ?

「よく見つけたな、そんなチョコ…」

「分かんない。不死身先生がくれた」

『八千代』、それいつの話?

何の話?

俺達が仕込んだのは、侘び寂び感じるワサビチョコだったはず。

得体の知れないゴキブリチョコではない。

何処から持ってきたんだ?そんなの…。

「でも、味は普通のチョコらしいから、食べても大丈夫だよ」

「そうなの!?じゃあ食べるよ!ありがとうね!」

食べるんだ。

チョコレートであれば、ゴキ型だろうが何だろうが食べるらしい。

どうかしてるよ学院長。

でも、それは俺の言えた台詞じゃない。

何で、いつの間に、こんな…。

…いつもの日常に、戻ってるんだ?

俺が、内心違和感でいっぱいになっていた、そのとき。

学院長が、思いもよらぬ一言を口にした。

「もうっ…。『玉響』(たまゆら)君はあんなに良い子なのに、二人は何でこんなに悪い子なんだろう。ねぇ羽久?」

「いや、それはナジュのせいだろ。こいつらは、ナジュの言うことを真に受けるから」

…は?

…『玉響』?