神殺しのクロノスタシスⅣ

あれー、おっかしいな…。

俺、異次元世界とやらに転送されるはずだったんだけど…?

『八千代』は魔導適性が偏ってるから、魔法陣に魔導師認定してもらえず強制送還、は有り得ると思ってたが。

まさか、俺が強制送還された?俺は拒否?

そんな馬鹿な…俺は魔導師だよ。ちゃんと。

じゃあ、不思議なワンダーランドに転送されているはずでは?

何で学院に戻されてるんだろう?

あ、俺達が勝手に魔法陣に忍び込んだのがバレて、直前で捕まったのだろうか?

それは有り得る。

すると。

「もー!二人共!悪い子なんだから!悪い子!」

学院長が、仁王立ちでプンスカ怒っていた。

あ、ほら怒られてるし。

「いつもいつも、駄目って言ってるでしょっ!全然言うこと聞かないんだから!」

やっぱり独断専行がバレて、学院に戻されて。

その上で、学院長に怒られてるんだ。

横を見ると、『八千代』もいる。

『八千代』も捕まったんだ。成程。

それで、一緒にまとめて怒られてるんだな。

えー、何それつまんない。

俺は、どんな愉快なワンダーランドが待っているのかと思って、うきうき乗り込んだっていうのに…。

まさか直前で捕まるとは…。

「ちょっとすぐり君!?聞いてるの!?」

「えー…うん…。聞いてるよー」

「聞いてないじゃないの!」

だって、テンションが落ちちゃって。

「悪かったよ、もー…。でも、あーいう汚れ仕事って、俺達の出番じゃん?だから『八千代』と二人で、俺達で解決しようと思っただけだよ」

「…へ?」

は?

「それに、俺達が行かなかったら、他に誰が行くのさ?学院長達が学院を留守にしたら、生徒達が困るし…。聖魔騎士団の人がこれ以留守にしたら、国内の治安?的なものに関わるんじゃないの?」

その点、俺達は何も縛られることはないし。

適任だと思ったんだけどなぁ。

すると、学院長はしばらくぽやんとして。

そして、ハッとした。

「…もう!変なこと言って紛らわそうとしても駄目なんだからね!」

は?

「俺達が何処に行くって?」

学院長の横にいる羽久せんせーも、怪訝な顔で眉間に皺を寄せていた。

「…?」

何なら、『八千代』まで不思議そうな顔で、こちらを見ていた。

…え?

「何処って…異次元世界だよ。魔封じの石で作られた…。『サンクチュアリ』って組織の…」

既に四人、聖魔騎士団魔導部隊の大隊長が行方不明になってるんでしょ?

だから俺達は、その調査をする為に…。

「もうっ…!変な作り話しても無駄なんだからね!いっつもいっつも…私のおやつに悪戯ばっかりして!今日ばっかりは、も〜許さないからね!」

学院長は、ビシッと俺達を指差して言った。

…。

…は?