さて、それはそれ。
両親に見守られ、僕は目を閉じた。
…そのまま、二時間後。
深夜。日付が変わる頃。
僕の…僕達の時間がやって来た。
さぁ、覚醒の時間だ。
僕は、寝心地の悪い布団から、さっと抜け出した。
家族仲が良いのは、結構なことだが…それは僕には関係のないことだ。
僕には、僕の任務がある。
いつもの黒装束も小太刀もないので、どうにも心地が悪いけど。
文句を言っても仕方がないので、僕は部屋を探し回ってやっと見つけた、彫刻刀を懐に忍ばせた。
小太刀の代わりにしては、あまりにも貧弱だ。
とはいえ、丸腰よりはマシ。
細長いものなら、何でも目に突き立てれば凶器になる。
では、行こうか。
僕は、こっそり自分の部屋を抜け出した。
この屋敷の間取りは、昼間のうちに大体把握している。
問題は、屋敷の中にいる使用人だ。
僕が夜中に抜け出していると知れたら、両親(仮)に報告され、面倒なことになるだろう。
だから、誰にも見つからないように、屋敷の中を探索しなければならない。
外にも出たいところだが、まずはこの屋敷の中の調査を優先する。
僕は、抜き足差し足で、足音を立てないように廊下を歩いた。
人の気配を避け、時に物陰に隠れながら進む。
この世界は、魔封じの石の影響か、魔法が使えない。
それはさっき試した。魔力を込めようとしても、ガス欠を起こしたみたいに、全く力が入らない。
普通の魔導師からしたら、非常に不便なんだろうが。
僕には、大して関係ない。
僕は元々、偏った力魔法しか使えないのだから。
魔法縛りをされた世界でも、それほど不自由は感じない。
その点、『八千歳』は不便に思ってるだろうな。
まぁ、彼のことは心配してない。
心配など無用の相手だと、分かっているからだ。
両親に見守られ、僕は目を閉じた。
…そのまま、二時間後。
深夜。日付が変わる頃。
僕の…僕達の時間がやって来た。
さぁ、覚醒の時間だ。
僕は、寝心地の悪い布団から、さっと抜け出した。
家族仲が良いのは、結構なことだが…それは僕には関係のないことだ。
僕には、僕の任務がある。
いつもの黒装束も小太刀もないので、どうにも心地が悪いけど。
文句を言っても仕方がないので、僕は部屋を探し回ってやっと見つけた、彫刻刀を懐に忍ばせた。
小太刀の代わりにしては、あまりにも貧弱だ。
とはいえ、丸腰よりはマシ。
細長いものなら、何でも目に突き立てれば凶器になる。
では、行こうか。
僕は、こっそり自分の部屋を抜け出した。
この屋敷の間取りは、昼間のうちに大体把握している。
問題は、屋敷の中にいる使用人だ。
僕が夜中に抜け出していると知れたら、両親(仮)に報告され、面倒なことになるだろう。
だから、誰にも見つからないように、屋敷の中を探索しなければならない。
外にも出たいところだが、まずはこの屋敷の中の調査を優先する。
僕は、抜き足差し足で、足音を立てないように廊下を歩いた。
人の気配を避け、時に物陰に隠れながら進む。
この世界は、魔封じの石の影響か、魔法が使えない。
それはさっき試した。魔力を込めようとしても、ガス欠を起こしたみたいに、全く力が入らない。
普通の魔導師からしたら、非常に不便なんだろうが。
僕には、大して関係ない。
僕は元々、偏った力魔法しか使えないのだから。
魔法縛りをされた世界でも、それほど不自由は感じない。
その点、『八千歳』は不便に思ってるだろうな。
まぁ、彼のことは心配してない。
心配など無用の相手だと、分かっているからだ。


