「いやぁ、普段は一人でばかり夕飯を食べているから、こうして家族揃って囲む食卓は、かくべ、え?」
もぐもぐもぐもぐ。
もぐもぐもぐもぐ。
ごくん。
もぐもぐもぐもぐ。
「れ、令?」
「ど、どうしたの!?」
両親(仮)は、僕を見て驚愕していた。
が、僕は気にしなかった。
気にせず、白米とおかずを口の中いっぱいに掻き込んで、高速で咀嚼する。
今日はいつもより、おかずの量が多いので。
咀嚼のスピードも、三割増しである。
「ちょ、令…!落ち着いて食べなさい!」
「喉に詰まるでしょう!?」
大丈夫。そんな失敗はしない。
もぐもぐもぐもぐ。
ごくん。
イーニシュフェルト魔導学院に入ってからというもの、何故か毎度毎度、一日に三食も食べさせれている。
僕はいつも、「そんな必要ないのになぁ」と思いながらも、それが学院の規則だから、ちゃんと食べている。
更に学院長も、しょっちゅう甘いものばかり食べている。
が、僕にはその理由が分からない。
食事をしている時間というのは、非常に無駄な時間だ。
少なくとも、僕達魔導師にとっては。
睡眠は、まぁ、睡眠も大概無駄だとは思うが、身体の疲労を取る為だと思えば納得出来る。
しかし、食事の時間は無駄だ。
僕達は食べなくても死なないんだから、いくら食べても食材の無駄だし、時間の無駄。
そして時間というのは、等しく誰にも平等である。
平等な時間を、少しでも有益に使うには…無駄な時間を省くべき。
アホでも分かる理屈だ。
だから僕は、この高速食べを実行する。
食事の時間は、精々五分未満で良い。
それ以上の時間を費やすのは、勿体無い。
もぐもぐもぐもぐ。
ごくん。
それなのに。
「こら、令…!行儀の悪い」
何故か怒られる。
行儀…?
「お腹が空いていたのかい?」
いや、全く。
「食べ物は逃げないんだから、落ち着いて、ゆっくり食べなさい」
「そうよ。ちゃんと噛まないと喉に詰まらせるわよ」
凄くしっかり噛んでるよ。咀嚼回数数えながら。
で、そんなことを言ってる間に。
食事終了。
初めて食べるものがたくさんあったけど、味は覚えてない。
異次元世界で食べたものの味なんて、参考にならないか。
ここは、現実じゃないんだから。
夢の中で食べたのと同じだと思おう。
「お、お坊ちゃま。お代わりは如何ですか?」
僕の超高速食べを見て、余程空腹だと思ったのか。
傍に控えていた女中が、そう声をかけた。
お代わり云々より、お坊ちゃまと呼ばれたことに衝撃を受けた。
僕の、何処がお坊ちゃま?
庶民だよ僕は。
最底辺の庶民。
「ううん、要らない」
「そ、そうですか…」
無事、食事は五分以内で終わった。
やはり、無駄なことに時間をかけるのは良くない。
こんな状況なら、尚更。
もぐもぐもぐもぐ。
もぐもぐもぐもぐ。
ごくん。
もぐもぐもぐもぐ。
「れ、令?」
「ど、どうしたの!?」
両親(仮)は、僕を見て驚愕していた。
が、僕は気にしなかった。
気にせず、白米とおかずを口の中いっぱいに掻き込んで、高速で咀嚼する。
今日はいつもより、おかずの量が多いので。
咀嚼のスピードも、三割増しである。
「ちょ、令…!落ち着いて食べなさい!」
「喉に詰まるでしょう!?」
大丈夫。そんな失敗はしない。
もぐもぐもぐもぐ。
ごくん。
イーニシュフェルト魔導学院に入ってからというもの、何故か毎度毎度、一日に三食も食べさせれている。
僕はいつも、「そんな必要ないのになぁ」と思いながらも、それが学院の規則だから、ちゃんと食べている。
更に学院長も、しょっちゅう甘いものばかり食べている。
が、僕にはその理由が分からない。
食事をしている時間というのは、非常に無駄な時間だ。
少なくとも、僕達魔導師にとっては。
睡眠は、まぁ、睡眠も大概無駄だとは思うが、身体の疲労を取る為だと思えば納得出来る。
しかし、食事の時間は無駄だ。
僕達は食べなくても死なないんだから、いくら食べても食材の無駄だし、時間の無駄。
そして時間というのは、等しく誰にも平等である。
平等な時間を、少しでも有益に使うには…無駄な時間を省くべき。
アホでも分かる理屈だ。
だから僕は、この高速食べを実行する。
食事の時間は、精々五分未満で良い。
それ以上の時間を費やすのは、勿体無い。
もぐもぐもぐもぐ。
ごくん。
それなのに。
「こら、令…!行儀の悪い」
何故か怒られる。
行儀…?
「お腹が空いていたのかい?」
いや、全く。
「食べ物は逃げないんだから、落ち着いて、ゆっくり食べなさい」
「そうよ。ちゃんと噛まないと喉に詰まらせるわよ」
凄くしっかり噛んでるよ。咀嚼回数数えながら。
で、そんなことを言ってる間に。
食事終了。
初めて食べるものがたくさんあったけど、味は覚えてない。
異次元世界で食べたものの味なんて、参考にならないか。
ここは、現実じゃないんだから。
夢の中で食べたのと同じだと思おう。
「お、お坊ちゃま。お代わりは如何ですか?」
僕の超高速食べを見て、余程空腹だと思ったのか。
傍に控えていた女中が、そう声をかけた。
お代わり云々より、お坊ちゃまと呼ばれたことに衝撃を受けた。
僕の、何処がお坊ちゃま?
庶民だよ僕は。
最底辺の庶民。
「ううん、要らない」
「そ、そうですか…」
無事、食事は五分以内で終わった。
やはり、無駄なことに時間をかけるのは良くない。
こんな状況なら、尚更。


