平和。
「平和」。
その言葉が、僕にとってトリガーだった。
呼び起こしてしまいましたね。僕の中に眠る…僕の本性を。
「僕に平和なんて有り得ない…。僕は、平和を壊す人間なんですよ」
ギリギリと首を絞め上げながら、僕はそう言った。
酷い人間だろう?
助けてもらった恩を、仇で返そうとしている。
仇どころか、皆殺しで返すんだ。
「いつだって壊してきた。殺してきた。自分の願いの為なら、誰を犠牲にしても構わない。それが僕の本性」
だから、ずっと疎外感を感じ続けてきた。
この村は、自分のいるべき場所じゃないと。
それは勿論、僕が本来、この世界の人間ではないからという理由もあるが。
それ以上に僕は、このような平和な場所にいるべき存在ではないのだ。
だって、僕は壊したんだから。
そういうことだ。ようやく僕は、この世界の仕組みを理解した。
「思い出したんですよ。僕には僕のやるべきことがある…。その為なら、僕は何度でも同じことをしますよ」
天音さんのときの再現なんでしょう?この異次元世界は。
もう一回殺せって言ってるんでしょう?僕に。
「僕の罪悪感を煽るのが目的なんでしょう?きっとこんな感じだったんでしょうね…僕が殺した、天音さんのいた村は」
天音さんと初めて会ったとき。
僕がまだ、死にたがりの旅を続けていた頃。
天音さんに殺してもらう為に、彼がいた村を襲撃した。
村人を、残らず皆殺しにした。
あれと同じことをしろって言ってるんでしょう?
なら、やりますよ。
「う…ぐ…」
僕は、ご主人の首が千切れるほどに、ネックレスを絞め上げた。
やがて、強く絞め過ぎたネックレスが、ブチッと音を立てて切れた。
白いビーズが、床一面に散らばった。
そう。それで良い。
僕に、白なんて似合わない。
事切れたご主人が、床に崩れ落ちた。
同時に、周囲から悲鳴が上がった。
賑やかだったお祭りが、一瞬にして血の饗宴と化す。
「持ってきてたんでした、これ」
僕は、懐から「武器」を取り出した。
少し魔力を込めると、それは全長二メートルほどの高さにもなる、ゴツい両剣に变化した。
これは何かって?
学院長の魔法だよ。
この異次元世界に来る前に、用意しておいたんだ。
圧縮袋みたいなものだ。
あらかじめ、学院長が両剣を魔法で小型化し、異次元世界に持ち込み。
少し魔力を込めたら、もとの大きさに戻るようになっている。
便利でしょう?
そして。
今、この場にいる全員を殺すには、充分な武器だ。
「平和」。
その言葉が、僕にとってトリガーだった。
呼び起こしてしまいましたね。僕の中に眠る…僕の本性を。
「僕に平和なんて有り得ない…。僕は、平和を壊す人間なんですよ」
ギリギリと首を絞め上げながら、僕はそう言った。
酷い人間だろう?
助けてもらった恩を、仇で返そうとしている。
仇どころか、皆殺しで返すんだ。
「いつだって壊してきた。殺してきた。自分の願いの為なら、誰を犠牲にしても構わない。それが僕の本性」
だから、ずっと疎外感を感じ続けてきた。
この村は、自分のいるべき場所じゃないと。
それは勿論、僕が本来、この世界の人間ではないからという理由もあるが。
それ以上に僕は、このような平和な場所にいるべき存在ではないのだ。
だって、僕は壊したんだから。
そういうことだ。ようやく僕は、この世界の仕組みを理解した。
「思い出したんですよ。僕には僕のやるべきことがある…。その為なら、僕は何度でも同じことをしますよ」
天音さんのときの再現なんでしょう?この異次元世界は。
もう一回殺せって言ってるんでしょう?僕に。
「僕の罪悪感を煽るのが目的なんでしょう?きっとこんな感じだったんでしょうね…僕が殺した、天音さんのいた村は」
天音さんと初めて会ったとき。
僕がまだ、死にたがりの旅を続けていた頃。
天音さんに殺してもらう為に、彼がいた村を襲撃した。
村人を、残らず皆殺しにした。
あれと同じことをしろって言ってるんでしょう?
なら、やりますよ。
「う…ぐ…」
僕は、ご主人の首が千切れるほどに、ネックレスを絞め上げた。
やがて、強く絞め過ぎたネックレスが、ブチッと音を立てて切れた。
白いビーズが、床一面に散らばった。
そう。それで良い。
僕に、白なんて似合わない。
事切れたご主人が、床に崩れ落ちた。
同時に、周囲から悲鳴が上がった。
賑やかだったお祭りが、一瞬にして血の饗宴と化す。
「持ってきてたんでした、これ」
僕は、懐から「武器」を取り出した。
少し魔力を込めると、それは全長二メートルほどの高さにもなる、ゴツい両剣に变化した。
これは何かって?
学院長の魔法だよ。
この異次元世界に来る前に、用意しておいたんだ。
圧縮袋みたいなものだ。
あらかじめ、学院長が両剣を魔法で小型化し、異次元世界に持ち込み。
少し魔力を込めたら、もとの大きさに戻るようになっている。
便利でしょう?
そして。
今、この場にいる全員を殺すには、充分な武器だ。


