「ふぅ…」
親切なお兄さんに、荷物を担いでもらって。
ようやく、居候している家に帰り着いた。
お兄さんは、かごいっぱいの野菜を置いていったよ。
代わりにご婦人は、自分で漬けたという漬物を、お兄さんに持たせていた。
成程この村では、こういうお裾分け文化が根強いんだな。
食料は何でも、村人同士で共有するのだろう。
「大丈夫ですか?疲れました?お茶でも淹れましょうか」
「あ、いえ大丈夫です…」
「遠慮しなくて良いんですよ。淹れてきますから、ちょっと待っててくださいね」
「…」
この村では何でもかんでも、断るという選択は受け付けてもらえないらしい。
それだけ、この村の人々は皆優しくて、親切なのだ。
それは嬉しいのだけど…その気持ちは有り難いのだけど…。
…何故か、僕はその親切を、素直に受け入れることが出来ない。
何でも遠慮しようとする。
自分は親切にされるべき存在ではない、と思ってしまうのだ。
何でだろう…。村の人に優しくされる度、僕は心の隅を針でつつかれるような罪悪感を覚える。
…どうして…。
「お兄ちゃん」
ふと、幼女に呼ばれて、僕はハッとした。
「どうしたの?お兄ちゃん。難しい顔してる」
「え、いや…。大丈夫ですよ」
「何考えてたの?」
何…って。
「…この村の人は、皆優しいですね」
僕は、思わず本音を喋っていた。
親切なお兄さんに、荷物を担いでもらって。
ようやく、居候している家に帰り着いた。
お兄さんは、かごいっぱいの野菜を置いていったよ。
代わりにご婦人は、自分で漬けたという漬物を、お兄さんに持たせていた。
成程この村では、こういうお裾分け文化が根強いんだな。
食料は何でも、村人同士で共有するのだろう。
「大丈夫ですか?疲れました?お茶でも淹れましょうか」
「あ、いえ大丈夫です…」
「遠慮しなくて良いんですよ。淹れてきますから、ちょっと待っててくださいね」
「…」
この村では何でもかんでも、断るという選択は受け付けてもらえないらしい。
それだけ、この村の人々は皆優しくて、親切なのだ。
それは嬉しいのだけど…その気持ちは有り難いのだけど…。
…何故か、僕はその親切を、素直に受け入れることが出来ない。
何でも遠慮しようとする。
自分は親切にされるべき存在ではない、と思ってしまうのだ。
何でだろう…。村の人に優しくされる度、僕は心の隅を針でつつかれるような罪悪感を覚える。
…どうして…。
「お兄ちゃん」
ふと、幼女に呼ばれて、僕はハッとした。
「どうしたの?お兄ちゃん。難しい顔してる」
「え、いや…。大丈夫ですよ」
「何考えてたの?」
何…って。
「…この村の人は、皆優しいですね」
僕は、思わず本音を喋っていた。


