それどころか。
熱くて、どろっとしたお粥を頂いた後。
「これを飲むと良い」
と言って、ご主人が手づから、緑色の液体が入った器を持ってきた。
何この青汁?
「これは…?」
「薬草を煎じて作った薬湯だ。これを飲めば、傷の治りも早くなる」
本当に?
見るからに苦そうなんですけど、むしろ飲んだら具合悪くなるのでは?
「…苦そうですね」
「あぁ。息を止めて飲んだ方が良い」
素直ですね。
「でも、飲まないと治らない。ちゃんと飲むんだ」
良薬口に苦しですね、分かります。
その理屈は理解出来るんですが…。
「…僕、薬とか、治療とか、何もしなくても治る気がするんです…」
それどころか、普通の人なら死ぬような致命傷を負っても、大丈夫…。
…な、気がするんですが、これは僕の妄想なのか?
「何を言ってるんだ。そんな人間はいない」
一刀両断。
…ですよね?
僕もそう思うんですが、でもそうじゃないって言うか…。
自分は絶対に大丈夫だという、謎の自信がある。
「さぁ、馬鹿なこと言ってないで飲みなさい」
馬鹿なこと…確かに馬鹿なことだ。
それなのに何故だろう?何処に根拠があるのか、僕のこの自信は…。
「お兄ちゃん、お薬はちゃんと飲まないと駄目なんだよ。私もいっつも飲みたくないけど、でも飲まなかったらお父さんに怒られるから、ちゃんと飲むの」
と、幼女。
はい分かりました。飲みます。
恐ろしい脅迫だ。君は将来大物になるよ。
仕方なく、僕は薬湯の器を持って、息を止めて一気飲みした。
一気飲みしたけど、やっぱり不味かった。
マーライオンしなかった自分を褒めたい。
…はぁ、死ぬかと思った。
「…ご馳走様でした…」
「お兄ちゃん。そのお薬、ご飯の度に飲まないといけないんだよ」
死刑判決ですか?
「…それで」
薬湯を飲み干した僕に、改めてご主人が尋ねた。
「何処から来たのか、記憶がないと聞いたが…」
「あ、はい…」
今のところ、至れり尽くせり状態だし。
とりあえず…追い出される心配はなくなったと思って良いですかね。
熱くて、どろっとしたお粥を頂いた後。
「これを飲むと良い」
と言って、ご主人が手づから、緑色の液体が入った器を持ってきた。
何この青汁?
「これは…?」
「薬草を煎じて作った薬湯だ。これを飲めば、傷の治りも早くなる」
本当に?
見るからに苦そうなんですけど、むしろ飲んだら具合悪くなるのでは?
「…苦そうですね」
「あぁ。息を止めて飲んだ方が良い」
素直ですね。
「でも、飲まないと治らない。ちゃんと飲むんだ」
良薬口に苦しですね、分かります。
その理屈は理解出来るんですが…。
「…僕、薬とか、治療とか、何もしなくても治る気がするんです…」
それどころか、普通の人なら死ぬような致命傷を負っても、大丈夫…。
…な、気がするんですが、これは僕の妄想なのか?
「何を言ってるんだ。そんな人間はいない」
一刀両断。
…ですよね?
僕もそう思うんですが、でもそうじゃないって言うか…。
自分は絶対に大丈夫だという、謎の自信がある。
「さぁ、馬鹿なこと言ってないで飲みなさい」
馬鹿なこと…確かに馬鹿なことだ。
それなのに何故だろう?何処に根拠があるのか、僕のこの自信は…。
「お兄ちゃん、お薬はちゃんと飲まないと駄目なんだよ。私もいっつも飲みたくないけど、でも飲まなかったらお父さんに怒られるから、ちゃんと飲むの」
と、幼女。
はい分かりました。飲みます。
恐ろしい脅迫だ。君は将来大物になるよ。
仕方なく、僕は薬湯の器を持って、息を止めて一気飲みした。
一気飲みしたけど、やっぱり不味かった。
マーライオンしなかった自分を褒めたい。
…はぁ、死ぬかと思った。
「…ご馳走様でした…」
「お兄ちゃん。そのお薬、ご飯の度に飲まないといけないんだよ」
死刑判決ですか?
「…それで」
薬湯を飲み干した僕に、改めてご主人が尋ねた。
「何処から来たのか、記憶がないと聞いたが…」
「あ、はい…」
今のところ、至れり尽くせり状態だし。
とりあえず…追い出される心配はなくなったと思って良いですかね。


