と、思ったが。

学院に帰ってきたときには、そんな俺達の心配は、杞憂に終わっていた。

俺達が、20人を連れて学院に戻ると。

そのときには既に、何名かの生徒が学院に辿り着いていた。

なんと、あのごった返した駅で、運転再開直後の第一便に乗れたらしい。

とはいて、やはり相当無理をしたらしく、学院に辿り着いたときには、ぐったりしていたそうな。

養護教員でもある天音の指示で、今日は学生寮でゆっくり休むように言いつけられ。

今は、学生寮で休んでいるとか。

だから、無理して欲しくなかったんだよ。

で、他の生徒はどうなったか。

ある者は、上手いこと長距離バスに乗って、バスで戻ってきたり。

シャネオンでも、海に近い港町方面に住む生徒は、なんと船を乗り継いで、戻ってきたそうだ。
 
成程、船という手段もあったか。

とはいえ、皆考えることは同じで、船の方も、かなりごった返していたそうだが。

それでも、駅よりはマシだったみたいだ。

そして残りの生徒は、親が駅の惨状を見て、「これは今日帰らせるのは無理」と判断し。

学院に連絡を入れ、一日帰るのを遅らせて欲しいと頼んできたそうだ。

ある意味、これが一番賢明な判断だったかもしれないな。

勿論イレース達はこれを承諾、遅れても良いから、安全に戻ってくるよう伝えてくれたそうだ。

これで、明日には、残りの生徒が戻ってくるだろうな。

ようやく、一安心だ。