その後。
俺と後輩は、少女の求めに応じて、様々な遊びに付き合った。
トランプ、ボードゲーム、お絵描き、あやとり等々。
そうやって遊んでいる間、少女はとても嬉しそうで、ずっとはしゃいでいた。
その姿は、彼女に残された、残り僅かの人生を忘れさせるほどだった。
でも、どう足掻いても、彼女に残っている時間の長さは変わらない。
こうしている間にも、彼女の人生の砂時計は、無情に減り続けているのだ。
彼女は、それを自覚しているのだろうか?
むしろ自覚しているからこそ、こうやって我を忘れて遊ぶことで、現実逃避しているのだろうか。
俺はふと、そう考えた。
いずれにしても、俺が彼女に出来ることは少ない。
せめて今だけはこうやって、彼女を楽しませる為に、遊びに付き合ってあげることくらいだ。
…しかし、それも。
「もう、そろそろ終わりにしよう」
腕時計を見て、後輩がそう切り出した。
とても申し訳なさそうな顔だった。
「これ以上起きていたら、疲れてしまうからね。消灯時間も近いし、もう寝た方が良い」
「…そう、ですね」
先程まで、あんなにはしゃいでいたのに。
終わりを告げられた途端、少女の顔から笑みが消えた。
酷く気落ちした様子で、逆にこちらが罪悪感に駆られる。
でもこれ以上は、彼女の身体が持たない。
「また今度、遊びに来るよ。お兄ちゃんの似顔絵も、そのときに完成させよう?」
少しでも少女を励まそうと、後輩は宥めるようにそう言った。
「はい…そうします」
それでも、少女は浮かない顔で答えた。
後輩の手前、そうする、と口にしたは良いものの。
「また今度」なんて、自分にあるのだろうかと考えているように見える。
「じゃあ、今夜は…もう休むんだよ。また明日ね」
「はい…おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
遊び道具を、全て片付け。
俺と後輩は、名残惜しそうな少女に手を振り。
病室の電灯をそっと消してから、部屋を出た。
俺と後輩は、少女の求めに応じて、様々な遊びに付き合った。
トランプ、ボードゲーム、お絵描き、あやとり等々。
そうやって遊んでいる間、少女はとても嬉しそうで、ずっとはしゃいでいた。
その姿は、彼女に残された、残り僅かの人生を忘れさせるほどだった。
でも、どう足掻いても、彼女に残っている時間の長さは変わらない。
こうしている間にも、彼女の人生の砂時計は、無情に減り続けているのだ。
彼女は、それを自覚しているのだろうか?
むしろ自覚しているからこそ、こうやって我を忘れて遊ぶことで、現実逃避しているのだろうか。
俺はふと、そう考えた。
いずれにしても、俺が彼女に出来ることは少ない。
せめて今だけはこうやって、彼女を楽しませる為に、遊びに付き合ってあげることくらいだ。
…しかし、それも。
「もう、そろそろ終わりにしよう」
腕時計を見て、後輩がそう切り出した。
とても申し訳なさそうな顔だった。
「これ以上起きていたら、疲れてしまうからね。消灯時間も近いし、もう寝た方が良い」
「…そう、ですね」
先程まで、あんなにはしゃいでいたのに。
終わりを告げられた途端、少女の顔から笑みが消えた。
酷く気落ちした様子で、逆にこちらが罪悪感に駆られる。
でもこれ以上は、彼女の身体が持たない。
「また今度、遊びに来るよ。お兄ちゃんの似顔絵も、そのときに完成させよう?」
少しでも少女を励まそうと、後輩は宥めるようにそう言った。
「はい…そうします」
それでも、少女は浮かない顔で答えた。
後輩の手前、そうする、と口にしたは良いものの。
「また今度」なんて、自分にあるのだろうかと考えているように見える。
「じゃあ、今夜は…もう休むんだよ。また明日ね」
「はい…おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
遊び道具を、全て片付け。
俺と後輩は、名残惜しそうな少女に手を振り。
病室の電灯をそっと消してから、部屋を出た。


