神殺しのクロノスタシスⅣ

で、結局、しばらく数学の問題と格闘して。

こちらも嫌になったのか、テキストを床に放り投げ。

本日の勉強、おしまい。

君みたいな人は、無駄な抵抗はせず、さっさと寝る方が余程有益な時間の使い方だと思う。

それなのに。

彼は勉強の代わりに、机の引き出しを開けた。

そしてその中から、ノートを一冊取り出した。

学校のノートではない。

お?ポエム帳か?

開いてみると、それは日記帳のようなものだった。

ポエム帳…。あながち間違ってませんね。

しかし。

それ以上に驚いたのは、そこに書かれている言葉の数々だった。

『辛い。』

『何で俺ばっかり?』

『これ以上頑張れない。』

『もう限界だ。』

『精一杯やってるのに、何で。』

…云々。

…え、重っ。

重過ぎて反応に困るんですけど。どうしてくれるんですか、この空気。

案の定、崩壊寸前でいらっしゃる。

ポエム帳の方がまだマシだった説。

これはこれで黒歴史だよな…。こんなこと書くまで追い詰められてるとは。

そしてこの日も彼は、黒歴史日記に、やけっぱちのように殴り書きした。

『どうせ俺は、何をやってもダメだよ。』

以上。

確かにそうなのかもしれないが、それを文章に残そうという心理が、かなり危うくて怖い。

これは重いですよ。

どう反応したら良いのか分からなくなるから、こういうのはご遠慮したいですね、俺は。