「もう分かったので、あとは羽久さん、直してもらえますか?」
と、改めてエリュティアが言った。
よし来た。任せろ。
「犯行時刻は…いつ頃だったんだ?」
「本当に、日が昇る寸前ですね。午前三時頃…」
そんな時間からまた、ご苦労なことだな。
しかし、俺達聖魔騎士団の魔導師が来たからには。
そのご苦労な仕事を、一瞬出なかったことにしてやろう。
「じゃ、それより前の時間に『戻せば』良いんだな」
「はい、お願いします」
俺は、杖を持つ手に力を込め、魔力を注ぎ込んだ。
俺のお得意の、時魔法だ。
この、壊れた線路一帯を、壊れる前、午前三時より前の時間に「戻す」。
「eimt…eestorr」
俺が魔力を注ぎ込んだ、その瞬間。
みるみるうちに、線路はもとの姿を取り戻した。
時魔法によって、この壊れた一帯を、壊れる前の状態に「戻した」のだ。
「…さすがだな」
と、無闇は感嘆の声をあげた。
「はい…さすが羽久さんです」
エリュティアも同意。
「こんなことが出来る時魔法使いは、なかなかいないからね〜」
何故か我が事のように得意げなシルナ。
褒めてくれるところ有り難いが、俺なんてまだまだ素人みたいなもんだ。
「前の」俺に比べたらな。
とはいえ、俺の時魔法が、それなりに熟練していることは事実。
自分で言うのは、自画自賛みたいで嫌だが。
まず、時魔法という魔法そのものが、非常に高難度で、使える魔導師も限られる上。
これだけの範囲を、これだけの速さで、しかも何時間単位の時間を動かせる時魔導師は、まず存在しない。
何が言いたいかと言うと、それだけ時魔法は、難しく、そして使える者を選ぶ魔法だということだ。
運良く、俺はその才能に恵まれたが。
さっきも言った通り、これは多分、俺の持つ才能ではない。
「前の」俺の才能を、ちょっとばかし分けてもらった程度なのだ。
それでも。
こうして、人の役に立てるのだから…あながち、捨てたものではない。
と、改めてエリュティアが言った。
よし来た。任せろ。
「犯行時刻は…いつ頃だったんだ?」
「本当に、日が昇る寸前ですね。午前三時頃…」
そんな時間からまた、ご苦労なことだな。
しかし、俺達聖魔騎士団の魔導師が来たからには。
そのご苦労な仕事を、一瞬出なかったことにしてやろう。
「じゃ、それより前の時間に『戻せば』良いんだな」
「はい、お願いします」
俺は、杖を持つ手に力を込め、魔力を注ぎ込んだ。
俺のお得意の、時魔法だ。
この、壊れた線路一帯を、壊れる前、午前三時より前の時間に「戻す」。
「eimt…eestorr」
俺が魔力を注ぎ込んだ、その瞬間。
みるみるうちに、線路はもとの姿を取り戻した。
時魔法によって、この壊れた一帯を、壊れる前の状態に「戻した」のだ。
「…さすがだな」
と、無闇は感嘆の声をあげた。
「はい…さすが羽久さんです」
エリュティアも同意。
「こんなことが出来る時魔法使いは、なかなかいないからね〜」
何故か我が事のように得意げなシルナ。
褒めてくれるところ有り難いが、俺なんてまだまだ素人みたいなもんだ。
「前の」俺に比べたらな。
とはいえ、俺の時魔法が、それなりに熟練していることは事実。
自分で言うのは、自画自賛みたいで嫌だが。
まず、時魔法という魔法そのものが、非常に高難度で、使える魔導師も限られる上。
これだけの範囲を、これだけの速さで、しかも何時間単位の時間を動かせる時魔導師は、まず存在しない。
何が言いたいかと言うと、それだけ時魔法は、難しく、そして使える者を選ぶ魔法だということだ。
運良く、俺はその才能に恵まれたが。
さっきも言った通り、これは多分、俺の持つ才能ではない。
「前の」俺の才能を、ちょっとばかし分けてもらった程度なのだ。
それでも。
こうして、人の役に立てるのだから…あながち、捨てたものではない。


