と、俺が言った瞬間。
時が止まったように、家族全員がびっくりしたような顔で、こちらを見ていた。
…えっ。
俺、何か変なことを言っ…。
「…やだなぁ、お兄ちゃん、あんな伝説本当に信じてるの?」
従兄妹の女の子が、笑いながら俺の背中をパン、と叩いた。
で、伝説?
「テレビの見過ぎだって。あんなのインチキに決まってるよ」
テレビ?
インチキ?
「そうだなぁ。そういえば俺が子供の頃も、隣のクラスに、何もないところから火をつけたりしてる子がいたが…」
叔父さんが、そんなことを言った。
それって、もしかして…。
「でも、今思えばあれも、手品か何かだったんだろうなぁ」
え。
そんな…手品で片付けられてしまうなんて。
「よくテレビなんかでもやってるわよね、超能力者の番組…。でも、あれも嘘臭くて…」
叔母さんも、苦笑いでそう言った。
「あんなの信じちゃ駄目よ?ああいう自称超能力者みたいな人は、何考えてるか分かったものじゃないんだから」
「そうそう。『これは霊験あらたかな〜』とか言って、変な壺買わされるかも〜」
「はは、冗談冗談」
叔母さんと従兄妹の女の子、叔父さんが順番に言って。
俺が咄嗟に放った一言は、笑い話として片付けられてしまった。
…超能力者…インチキの…。
魔導師がいない…。…信じられていない?
それじゃあ、もしかしてここは…この不思議な世界は…。
家族は皆笑いながら、次の話題に移っていて。
俺もまた、家族の話を生返事で済ませながら、頭の中は一人で考え事をしていた。
誰も聞いていないテレビのアナウンサーだけが、ニュースを話し続けていた。
『なお警察は、先月に起きた住宅火災と、先週某市で起きた住宅火災に続く一連の火災を、同一犯による放火事件と見て、調査を進めており…』
時が止まったように、家族全員がびっくりしたような顔で、こちらを見ていた。
…えっ。
俺、何か変なことを言っ…。
「…やだなぁ、お兄ちゃん、あんな伝説本当に信じてるの?」
従兄妹の女の子が、笑いながら俺の背中をパン、と叩いた。
で、伝説?
「テレビの見過ぎだって。あんなのインチキに決まってるよ」
テレビ?
インチキ?
「そうだなぁ。そういえば俺が子供の頃も、隣のクラスに、何もないところから火をつけたりしてる子がいたが…」
叔父さんが、そんなことを言った。
それって、もしかして…。
「でも、今思えばあれも、手品か何かだったんだろうなぁ」
え。
そんな…手品で片付けられてしまうなんて。
「よくテレビなんかでもやってるわよね、超能力者の番組…。でも、あれも嘘臭くて…」
叔母さんも、苦笑いでそう言った。
「あんなの信じちゃ駄目よ?ああいう自称超能力者みたいな人は、何考えてるか分かったものじゃないんだから」
「そうそう。『これは霊験あらたかな〜』とか言って、変な壺買わされるかも〜」
「はは、冗談冗談」
叔母さんと従兄妹の女の子、叔父さんが順番に言って。
俺が咄嗟に放った一言は、笑い話として片付けられてしまった。
…超能力者…インチキの…。
魔導師がいない…。…信じられていない?
それじゃあ、もしかしてここは…この不思議な世界は…。
家族は皆笑いながら、次の話題に移っていて。
俺もまた、家族の話を生返事で済ませながら、頭の中は一人で考え事をしていた。
誰も聞いていないテレビのアナウンサーだけが、ニュースを話し続けていた。
『なお警察は、先月に起きた住宅火災と、先週某市で起きた住宅火災に続く一連の火災を、同一犯による放火事件と見て、調査を進めており…』


