神殺しのクロノスタシスⅣ

迎えた放課後、俺は、待ってましたと言わんばかりに、あのいじめっ子三人に声をかけられ。

無理矢理連れて行かれたのは、学校近くのカラオケ店舗。

昼休みにあれほどのことをしておいて、仲良く放課後にカラオケを楽しみましょう、とは行かない。

案の定俺は、さながら小間使いのように扱われた。

三人が楽しく歌っている間、彼らの為に甲斐甲斐しくドリンクを注いできたり。

かと思えば、注いできた数種類のドリンクをデタラメにミックスして、出来上がった変な味の飲み物を、一気飲みするよう強要してきたり…。

とりあえず、ドリンクバーで遊ぶのは良くないと思う。

更に、いきなりマイクを押し付けてきて、卑猥な歌詞の替え歌を、大声で歌うことを強要。

それもわざわざ、注文したフードを持って、店員さんが入室してきたタイミングで。

店員さんは当然、卑猥な歌詞を小声で歌う俺を見て、ぎょっとしていたし。

俺は俺で、そんな店員さんにいたたまれない気持ちでいっぱいだった。

それなのにクラスメイト達は、それを見て笑うばかりで、少しも罪悪感を感じていないようだった。

おまけに会計のときは、俺に払えと命令。

しかし、俺は昼休みに、彼らのカツアゲに遭った為、財布の中には小銭しか入っていない。

そんなことは、カツアゲした三人がよく分かっているだろうに。

彼らは、「払えない」と言う俺に、「役立たず」とか、「乞食」とか罵って。

ついでに、腹パンを三回ほどお見舞いしてきた。

いきなり殴られたので、受け身も取っていなかったから結構痛かった。

俺は強要される行為全てに腹が立ったし、文句も言いたかったし、反論したかった。

しかし、出来なかった。

言おうとした瞬間、言葉に詰まるのだ。

喉元まで出かかっているのに、まるでブレーキでもかけられているかのように、言葉が出ない。

結局何も言えなくて、黙って従うしかない。

そんな調子だから、三人共好き放題、いじめたいだけいじめて。

最後には、俺を荷物持ちにして、市中を引き回し。

それで満足したのか、往来の真ん中に俺を置き去りにして、さっさと帰っていった。

…。

さて、俺はこれから、どうしたら良いのだろう?